2026.11.03
健康寿命2位、幸福度61位 ――日本人は「長く生きる国」をつくった。でも「納得して生きられる国」はつくれたのか
齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
日本は、世界でもっとも長く健康に生きられる国の一つである。 2026年版「World Happiness Report」によれば、日本の健康寿命は73.40年で世界2位。一方、幸福度は10点満点中6.130で世界61位だった。 健康寿命2位、幸福度61位。 この二つの数字を並べると、やはり違和感が残る。 日本は治安がよく、医療制度が整い、衛生状態も高い。交通や社会インフラも充実している。世界全体から見れば、安全に、便利に、そして長く暮らすための条件はかなり整っている国である。 それでも、日本人自身による人生評価は61位にとどまる。 なぜなのだろう。
私たちは「幸福」ではなく、「幸福であるはずの条件」を追っている
「幸せになりたい」と言う人は多い。
しかし、
「あなたにとって幸せとは何ですか」
と問われると、明確に答えられる人は、それほど多くないのではないだろうか。
返ってくるのは、収入、家、旅行、自由、成功、安心といった言葉であることも多い。
もちろん、それらは大切だ。
しかし、それらは幸福そのものというより、幸福につながる可能性のある条件である。
ここを混同すると、人生は終わりのない追跡になる。
何かを手に入れれば、その次に足りないものが見える。収入が増えれば、さらに上の生活が見える。評価されれば、もっと高い評価を欲しくなる。
幸福が、いつまでも「次に手に入れるもの」になる。
私は、現代の私たちが幸福そのものを追っているというより、
「幸福であるはずの条件」を追い続けているのではないか
と思う。
そこには、「青い鳥」の物語に似た構造がある。
幸福は、いつも今ここではない場所にある。
今の仕事ではない。
今の収入ではない。
今の自分ではない。
まだ何かが足りない。
そうして人生は、知らないうちに「足りないものを探す時間」になっていく。
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株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。
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