2026.08.25
アルゴリズムに選ばれる社会 ――それは、人間を幸せにするのか
齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
ネットで商品を探すと、「あなたへのおすすめ」が現れる。 SNSを開けば、興味を持ちそうな投稿が次々と流れてくる。動画を一本見れば、似た動画が並ぶ。転職サイトでは、自分に合いそうな会社が推薦される。 私たちは、こうした世界をすでに当たり前のものとして生きている。 だが、この延長線上にどのような社会が待っているのか。
「採用される人」もアルゴリズムが決める
人生への影響は、消費よりも深い領域へ広がっている。
米国の雇用機会均等委員会(EEOC)が提訴したiTutorGroupの事例では、採用ソフトウェアが女性は55歳以上、男性は60歳以上の応募者を自動的に不採用にするよう設定されていた。その結果、200人を超える応募者が年齢を理由に排除されたとして、2023年に36万5000ドルの和解が成立した。
これは極端なケースに見える。
しかし重要なのは、「悪いアルゴリズムが存在した」ということだけではない。
企業が採用を効率化するために、応募者をデータとして分析し、順位づけし、選別するという考え方そのものが急速に現実になっていることである。
もし、それが社会の標準になったらどうなるだろう。
当然、応募する側も対応する。
AIに評価されやすい履歴書を書く。
評価される資格を取る。
評価される経歴をつくる。
評価される話し方をする。
評価されるキャリアを歩む。
すると、いつの間にか目的が変わる。
自分らしい人生をつくるために能力を磨くのではなく、アルゴリズムに高く評価される人間になるために、自分を最適化する。
そんな社会が生まれる可能性がある。
CHANGE
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株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。
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