2026.08.11
金融資産を増やせば、人生は豊かになるのか ――新NISA時代に考える「自分投資会社」という生き方
齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
給与が上がったはずなのに、生活が楽になった実感はない。 給与明細を開けば、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税、住民税が差し引かれている。そこに食料品、光熱費、住宅費をはじめとする物価上昇が重なり、以前と同じように暮らしているだけでも、家計の余裕は失われていく。
金融資産を増やせば、人生は豊かになるのか
――新NISA時代に考える「自分投資会社」という生き方
給与が上がったはずなのに、生活が楽になった実感はない。
給与明細を開けば、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税、住民税が差し引かれている。そこに食料品、光熱費、住宅費をはじめとする物価上昇が重なり、以前と同じように暮らしているだけでも、家計の余裕は失われていく。
財務省によれば、租税負担と社会保障負担を合わせた2026年度の国民負担率は、45.7%となる見通しである。これは個人の給与から一律に45.7%が引かれるという意味ではない。しかし、国民が生み出した所得の相当部分が、税と社会保障の負担に充てられている現実を示している。財政赤字まで加えた潜在的国民負担率は、48.4%と見込まれている。
社会保障は、病気、介護、失業、老後といった人生のリスクを社会全体で支えるために欠かせない。問題は、その必要性そのものではない。
少子高齢化が進み、社会保障給付費の増加が見込まれるなかで、今後も国や会社だけに自分の将来を委ねられるのかということである。厚生労働省は、2026年度の社会保障給付費を予算ベースで144.1兆円とし、高齢化に伴って今後も増加すると見込んでいる。
そうした将来不安を背景に、新NISAへの関心が高まっている。
金融庁は、2025年12月末時点におけるNISAの口座数や買付額について、全取扱金融機関を対象とした調査結果を2026年7月に公表した。NISAは一部の投資家だけの制度ではなく、幅広い世代にとって身近な資産形成手段になりつつある。
預金だけでは資産を守れない。
老後に備えて、若いうちから投資したほうがよい。
国や会社だけに頼らず、自分でも将来を準備する必要がある。
そうした認識は、年齢や所得層を超えて広がっている。
しかし、ここで一度立ち止まって考えたい。
私たちは、何を守ろうとしているのだろう。
預金残高だろうか。
老後資金だろうか。
現在の生活水準だろうか。
それとも、自分が望む人生を選び続けられる可能性だろうか。
金融資産を増やすことは重要である。
だが、金融資産を増やすことと、人生を豊かにすることは同じではない。
新NISAは、金融政策であると同時に生き方の転換を示している
新NISAは、投資によって得た利益を一定の範囲で非課税とし、個人の長期的な資産形成を後押しする制度である。
これは、資産を預金だけに置くのではなく、株式や投資信託などへ振り向ける選択肢を広げる政策でもある。
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株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。
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