​試験に出る!2023年の年号問題

2023.01.22

ライフ・ソーシャル

​試験に出る!2023年の年号問題

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/1001が7,11,13の公倍数だから、その倍、2002も同様の公倍数だ。そして、あとは、当該年との差をとって、それが7や11,13の倍数でないか、チェックしてみればいい。/

毎年、あちこちの高校や大学の入試で出題されるのが、年号問題。各校の数学の先生方が算額よろしく自慢の問題を出して、競い合う。ただ今年2023年はちょっと厄介で、秘密の鍵を知っているのと知らないのでは、解き方の手間がぜんぜん違う。家族や近所に受験生がいたら、ぜひこの秘密の鍵を教えておいてあげよう。

問題の鍵はたいてい因数だ。2や3,5,6,9の倍数判定法は、だれでも知っているだろう。7の倍数判定法は、下から3ケタごとに区切って、交互に2グループとし、それぞれの総和の差が7の倍数なら、全体も7の倍数。これは、1001が7の倍数であることを利用している。これが11の倍数の判別法だともっと簡単で、各ケタ交互に2グループとして、ぞれぞれの総和の差が0または11の倍数なら、全体も11の倍数。13の倍数判別法は、7の倍数判別法と同じで、3ケタ2グループのそれぞれの総和の差をチェックすればよい。というのも、1001は13の倍数でもあるから。

で、問題では、2や3,5,6,9の倍数では、すぐにわかって、おもしろくもない。そこで、素数の7,11,13の出番だ。上記の判別法でも原理として使ったように、1001は覚えておこう。これは7や13だけでなく、11の倍数でもある。ただし、ちょっと気を付けるべきは、実際に1001を11で割ると、91。これは一見、素数っぽい。が! 1001が7,11,13の公倍数なのだから、これは7x13! 一方、11と同様、101は素数。これも、よく問題の鍵に使われる。

さて、年号問題だが、1001が7,11,13の公倍数だから、その倍、2002も同様の公倍数だ。そして、あとは、当該年との差をとって、それが7や11,13の倍数でないか、チェックしてみればいい。しかるに、2023は、2002からの差が21なので、7の倍数であることはすぐにわかる。しかし、問題はここから。実際に7で割ると、289! 知ってのとおり、これは13の次の素数17の平方だ。となると、7x17、つまり、119、救急車の電話番号も因数ということになる。したがって、因数は、1, 7,17,119,289, 2023の5個ということになる。(ただし、1は「素数」とは呼ばないので注意。また、逆の911、米国の救急車や警察の電話、セプテンバー・イレブンは素数。)

とはいえ、これも最初に7の倍数であることがわかってしまったから、17も見つけられた。二年前の2021年となると、ほとんどお手上げだった。ざっとやっていっても、そうそう割れないのだが、これがなんと素数同士の積の43x47! 七年戦争が終わった 41x43の双子素数の1763年ほどではないが、間の45が5の倍数なのは明らかだから、この4飛びの素数ペアは、「いとこ素数」と呼ばれる関係。ちなみに、2011年と2017年は、どちらももろに素数で、6つ差の「セクシー」な関係。さらに、2011は、157 + 163 + 167 + 173 + 179 + 181 + 191 + 193 + 197 + 199 + 211という11個の連続素数の和でもある。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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