IQパズルブロック(ソーマキューブ)のすすめ

2023.01.12

ライフ・ソーシャル

IQパズルブロック(ソーマキューブ)のすすめ

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/高価で高度なPCゲームの類いもいいが、昨今のは複雑すぎて、現実を生きるめんどうと大差ない。それよりも、ただ立方体をきれいに組み上げる。無心になって遊べる。3パックまとめ買いで300円そこそことは思えない楽しさだ。/

(TL以外の5つのパーツは、1つのパーツで大立方体の1つの頂角しか担えない。しかし、それらは5つしかないから、大立方体の8つの頂角を満たすためには、それぞれ2つの頂角を担えるTとLの両方が大立方体の辺になる必要がある。しかし、そうなるとこんどは頂角が9つになってしまうので、TL以外の5つのパーツのうちの1つは頂角にならず、辺の中央だけか、面の中央だけを担う。ところが、ここにSが入っていると、Sはその形状から辺や面の中央だけの例外パーツにはなりにくく、たいてい角に来て頂角の1つを担い、むしろ例外パーツが辺や面の中央に顔を出すことを妨害することになる。)

この3x3x3の240とおり(Sを含むパチものだと、おそらくもっと少ない)をぜんぶ探り出すのもいいが、そういうのは抜け目の無いように慎重に数える数学者のやる作業。シロウトのパズルの楽しみとしては、3パックを合わせて、もっと大きな別の立体を作ることのほうがいい。純正ものセットでも、チンケな形のほかの組み上げ例も出ているが、まったく魅力的では無い。ぜひチャレンジしてほしいのが、4x4x4の立方体だ。

これには、どのパックのVも使わない。立方体4個連結パーツを16個使う。このとき、3x3x3のときと違って、Tの位置の縛りが解ける。パチものだと、Sを2も3つも使うかもしれない。これで、話は一気に複雑になる。1パックにそれぞれ4個連結パーツは6つ入っているから、2つが余る。最初からどれか2つを決めて除外してもよいが、これは難易度が高い。むしろ最後に何が2つ余るかで、占いもできる。もしTが余れば、いまのあなたに積極性が足りない。Lが余れば、鍵が欠けている。Zが余れば、道を変える必要がある。Pが余れば、完成に至っていない。Bが余れば、ひねりが足りない。そして、Sが余れば、大きなバックアップを探すべきだ。

また、3x3のタワーを作るのも楽しい。3x3x4=36だと4個連結パーツ9個、3x3x5=45だと、4個連結パーツ9個+3個連結V3個。これで3パック買った意味がわかるだろう。3個連結パーツVが3つあれば、どんな端数でも調整できるのだ。そして、3x3x6=54は、4個連結パーツ12個+V2個。3x3x7=63は、4個連結パース15個+V1個。3x3x8=72は、4個連結パーツ18個全部。そして、3x3x9=81は、これにV3個も入れて、3パックのパーツ全部。だたし、このとき、タワーの中に上下にパーツがつながっていない切断面があってはならない。

高価で高度なPCゲームの類いもいいが、昨今のは複雑すぎて、現実を生きるめんどうと大差ない。それよりも、ただ立方体をきれいに組み上げる。無心になって遊べる。300円そこそことは思えない楽しさだ。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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