間違ったABP目標:「全体達成した月は覚えがないですね」

2009.09.21

経営・マネジメント

間違ったABP目標:「全体達成した月は覚えがないですね」

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

「達成/未達成」は営業現場では聞きなれた言葉でしょうね。いわゆるリクルート系、GMO系、どちらの営業にも存在する言葉です。でも、「全体達成なんて覚えがない」と社員が言うようなABP目標を立てていると会社はやはりいい状態とは言えませんね。

 でも、志半ばで耐えられなかった営業マンは、多くの心の傷を抱えるのではないか、と。俺はだめなやつなんだ、という思いを持ってしまうのではないか、と。

 そういうビジネスは社会的に正しいのでしょうか・・・。

 もし、人が辞めるのを前提にするにしても、前向きに辞めるような仕組みを組めると思います。

 Webでのマーケティングが常識になって以降、しっかりと顧客の獲得コストを出して、コンバージョンを計算してビジネスを組むのは常識になってきました。

 そうすると、営業マンのコストとDMのコストを同列に扱うこともできます。

 でも、社員はDMと同じじゃないと思います・・・。まあ、青色申告しているような個人事業のプロ営業マンなら別かもしれません。

 日本では、まだ、フルコミッションのプロ営業マンのカルチャーは根付いてないし、それを遇する社会的な仕組みもないように思います。そして、何より20代の営業マンはそんなこと知らない場合が多い・・・。

 ABP目標ってそもそも、営業マンが安心して高い目標に向かうためにできた概念ですよね。

 だから、ノルマと違って、相当高く掲げる。それでいて人の成長が引き出される。

 人を使い捨てにする前提の下で、使う概念ではないですよね・・・。それではただの異常に高いノルマです。

 いろいろなセールスの知見は、関わる人を幸せにするほうに使ってみませんか?

 もし、関わる人の幸せを前提にしても、経営者の儲けの金額は、そんなに変わりませんから・・・。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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