3️⃣人を育てるという仕事― 2014年の取材記事から、人材育成の本質を考える ―【第3章】

2026.07.27

組織・人材

3️⃣人を育てるという仕事― 2014年の取材記事から、人材育成の本質を考える ―【第3章】

富士 翔大郎
人材育成コンサルタント、シニアインストラクター

第3章 教育は現場から始まる 教育担当になって間もない頃、私はあることに気づいた。 会議室で考えた研修ほど、現場では役に立たない。

第3章

教育は現場から始まる


教育担当になって間もない頃、私はあることに気づいた。

会議室で考えた研修ほど、現場では役に立たない。

もちろん、研修を企画するには資料も必要だし、カリキュラムも考えなければならない。

しかし、会議室の中だけで考えていると、教育担当者はいつの間にか「研修を作ること」が仕事になってしまう。

私が目指していたのは、そこではなかった。

現場の課題を解決すること。

それが教育担当者の仕事だと思っていた。

「どんな研修をやればいいですか。」


教育担当になった当初は、そんな質問をよく受けた。

しかし私は、逆に質問を返していた。

「今、一番困っていることは何ですか。」

「どんな場面で仕事が止まりますか。」

「どんな人材がいれば、現場はもっと良くなりますか。」

すると返ってくるのは、研修の話ではなかった。

「若手が報告・連絡・相談をしない。」

「リーダーが部下を育てられない。」

「技術はあるが、お客様との会話が苦手。」

「忙しすぎて新人を教える時間がない。」

それはすべて、現場で起きている現実だった。

私は、その話を何時間でも聞いた。

教育担当者である前に、一人の聞き役になろうと決めていたからである。

現場へ行くと、資料では分からないことがたくさん見えてくる



管理職の表情。

若手社員の戸惑い。

忙しそうに働くリーダー。

職場の空気。

会議の進め方。

何気ない雑談。

そうした一つひとつが、人材育成を考える上で貴重な情報だった。

アンケートでは見えない。

報告書にも書かれない。

しかし、本当の課題はそこにあった。

だから私は、教育担当者こそ現場へ行くべきだと思っていた。

教育担当は、教育の専門家ではある。


しかし、現場の専門家ではない。

だからこそ、現場を知ろうとする姿勢が欠かせない。

私は「教える前に、まず知ること」を大切にしてきた。

現場を知らずに作った研修は、どこか的外れになる。

反対に、現場を理解して設計した研修は、受講者の反応がまったく違う。

「まさに今困っていたことです。」

「自分たちの仕事を理解してくれている。」

そう感じてもらえた瞬間、教育は初めて受講者のものになる。

私は、その瞬間を何度も見てきた。

現場へ足を運ぶようになると、不思議な変化が起きた。


相談が増えたのである。

「こんな研修はできませんか。」

「この部署にも来てもらえませんか。」

「こんなことで困っているんですが。」

教育担当が現場へ来るようになると、現場との距離が一気に縮まる。

研修を売り込んだからではない。

話を聞き続けたからである。

私はそこで学んだ。

信頼は、説明ではなく対話から生まれる。

これは教育だけではなく、仕事全体に通じることだった。



2014年の取材でも、

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富士 翔大郎

人材育成コンサルタント、シニアインストラクター

● 人材育成、DX・IT、コンサル、マーケの経験を踏まえて、人材教育の新たなアプローチを探求中 明大法なのに齋藤孝ゼミ🤣 教免3種ホルダー イノベーション融合学会専務理事 教育研究家、モノカキの時は、「富士 翔大郎」と言います。天才トム・ショルツの「BOSTON」と「マニュアル車」「海外ドラマ」をこよなく愛する静岡県民

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