2026.09.14
3️⃣AI時代を読み解くキーワード③ AI Native──AIを「後から導入する企業」から「最初からAIで設計する企業」へ
富士 翔大郎
人材育成コンサルタント、シニアインストラクター
AIを「後から導入する企業」から、「最初からAIで設計する企業」へ
AI時代を読み解くキーワード③ AI Native
AIを「後から導入する企業」から、「最初からAIで設計する企業」へ
AI時代には、新しい技術用語が次々と登場します。
しかし、本当に重要なのは、その言葉を知っていることではありません。
その技術によって、
* 商品やサービスがどう変わるのか
* 仕事の進め方がどう変わるのか
* 企業の組織や経営がどう変わるのか
* 人財に求められる能力がどう変わるのか
* 企業は今から何を準備すべきなのか
を理解することです。
この連載「AI時代を読み解くキーワード」では、これからの企業と社会を考えるうえで欠かせない言葉を、技術だけでなく、経営、組織、人財育成の視点から整理していきます。
第1回では、ソフトウェアによって進化し続けるクルマである「SDV」を取り上げました。
第2回では、目的を与えると、自ら計画し、必要なツールを使って仕事を進める「Agentic AI」を取り上げました。
第3回は、
AI Native(AIネイティブ)
です。
簡単に言えば、AI Nativeとは、
既存の商品や業務にAIを後付けするのではなく、最初からAIの存在を前提に商品、サービス、業務、組織を設計する考え方
です。
IBMはAI Nativeを、製品、企業、業務などを、AIを中核的な構成要素として最初から設計することと説明しています。つまり、AIを便利な追加機能として後から取り付けるのではなく、AIがなければ成立しない構造そのものをつくるということです。(IBM)
AI Nativeとは何か
「AIを使っている企業」と「AI Nativeな企業」は、同じではありません。
例えば、これまで人間が作っていた会議資料を、生成AIに下書きさせる。
メールの文章をAIに考えてもらう。
顧客からの問い合わせにAIチャットボットで回答する。
これらも立派なAI活用です。
しかし、基本的には既存の仕事の形が先にあり、その一部をAIに置き換えています。
つまり、
今ある業務にAIを加えている
という状態です。
一方、AI Nativeでは、最初から問いが違います。
「今の仕事のどこにAIを入れるか」ではなく、
「AIが最初から存在するとしたら、この仕事はどのように設計するか」
と考えます。
ここが大きな違いです。
「AI導入」と「AI Native」の違い
従来のAI導入では、現在の仕事を前提にします。
例えば営業部門であれば、
* 顧客リストを作る
* 営業担当者が訪問する
* 面談記録を入力する
* 上司が進捗を確認する
* 月末に報告書を作る
という既存の業務があります。
そこにAIを導入し、
* 顧客リスト作成を自動化する
* 面談記録を要約する
* 報告書を自動作成する
という改善を行います。
これは、今の仕事を速くする発想です。
一方、AI Nativeでは、営業活動そのものを設計し直します。
例えばAIが、
* 市場データを常時分析する
* 見込み顧客を抽出する
* 顧客ごとの課題を推定する
* 提案内容を準備する
* 最適な接触時期を判断する
* 商談後のフォロー案を作る
ところまで担当します。
人間の営業担当者は、情報収集や資料作成ではなく、
* 顧客との信頼関係づくり
* 本音や事情の把握
* 複雑な利害調整
* 最終的な提案判断
* 約束に対する責任
に集中します。
つまり、AI Nativeとは、今の仕事を少し効率化することではありません。
人間とAIの役割を前提から組み直すこと
なのです。
AI時代を読み解くキーワード
人材育成コンサルタント、シニアインストラクター
● 人材育成、DX・IT、コンサル、マーケの経験を踏まえて、人材教育の新たなアプローチを探求中 明大法なのに齋藤孝ゼミ🤣 教免3種ホルダー イノベーション融合学会専務理事 教育研究家、モノカキの時は、「富士 翔大郎」と言います。天才トム・ショルツの「BOSTON」と「マニュアル車」「海外ドラマ」をこよなく愛する静岡県民
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