【決定版】人材育成のトリセツ(取扱説明書)――《序章》現場実践から磨き上げた育成フレームと育成サイクル 

2026.01.21

組織・人材

【決定版】人材育成のトリセツ(取扱説明書)――《序章》現場実践から磨き上げた育成フレームと育成サイクル 

富士 翔大郎
シニアインストラクター

【決定版】人材育成のトリセツ(取扱説明書)――《序章》現場実践から磨き上げた育成フレームと育成サイクル 

日本のすべての経営者に捧げたい。

序章

【決定版】人材育成のトリセツ(取扱説明書)

――現場実践から磨き上げた育成フレームと育成サイクル


「この研修、満足度は高かったですよ」

人材育成の仕事をしていると、
何度も何度も、こう言われます。

アンケートの点数も悪くない。
講師評価も高い。
上からも「良い研修だった」と言われる。

それでも——
現場は、何も変わっていない。

私は長く、人材育成と研修の現場にいました。
企画を考え、講師を選び、運営し、効果を測る。
いわゆる「人材開発」と呼ばれる仕事を、
机上ではなく、現場実践として続けてきました。

その中で、
成功した研修も、失敗した研修も、
称賛された施策も、強く反発された施策も、
すべて経験しました。

そして、ある時から
一つの違和感が、はっきりと形を持ち始めました。

満足度は高い。でも、人は変わらない

多くの研修は「満足度」で評価されます。
• 楽しかったか
• 分かりやすかったか
• 講師が良かったか

それ自体は否定しません。
むしろ、楽しくない研修に意味はない。

ただし、私は現場で何度も見てきました。

満足度の高い研修ほど、
「良い体験」で終わってしまうことがある。

良い映画を観たようなものです。
感動はする。
気づきもある。
でも、翌日からの行動は変わらない。

だから私は、
研修を見る軸を変えました。

私が見ていたのは「研修有益度」だった

私が本当に知りたかったのは、
この研修が役に立ったかどうかです。

ここで言う「役に立つ」とは、
知識が増えたか、理解したか、ではありません。
• 研修をきっかけに、何かを試そうとしたか
• 現場で一歩踏み出したか
• うまくいかなくても、考え続けようとしたか

私はこれを、
「研修有益度」と呼んでいます。

満足度が過去を向いた評価だとすれば、
有益度は未来を向いた評価です。

「良かった」で終わるのか、
「どう使おうか」と考え始めるのか。

その差が、
人が変わるかどうかを分けます。

研修は、生き物である

もう一つ、
私が現場実践から強く確信したことがあります。

研修は、生き物である。

型にした瞬間に、動かなくなる。
正解を決めた瞬間に、反応しなくなる。

多くの組織では、
「うまくいった研修」を横展開しようとします。
標準化し、再利用し、効率化する。

しかし、研修は
相手が変われば、別の生き物です。

同じ会社でも、
階層が違えば、課題が違う。
同じ階層でも、時代が違えば、価値観が違う。

それを無視して
「前回これでうまくいったから」とやると、
受講生は一瞬で見抜きます。

手を抜いたことも、
偉そうにしていることも、
全部、伝わってしまう。

研修はイベントではなく、サイクルである

もう一つ、
現場実践からたどり着いた結論があります。

研修は、1回で完結しない。

研修で考え始めた人ほど、
その後につまずきます。
• 現場で試したが、うまくいかなかった
• 周囲との摩擦が生まれた
• 自信が揺らいだ

これは失敗ではありません。
行動した証拠です。

問題は、
多くの研修がここで終わってしまうことです。

研修が終わった瞬間に、
支援も、関係性も、途切れてしまう。

だから私は、
研修を「単発イベント」ではなく、
育成サイクルとして設計してきました。

研修 → 実践 → つまずき → 内省 → 再挑戦。
この循環を回し続けること。
それが、人が本当に変わる条件だと考えています。

教育DXという言葉への違和感

最近、「教育DX」という言葉をよく聞きます。

学習管理システム、eラーニング、履歴の可視化。
それらを否定するつもりはありません。

ただ、現場実践を続けてきた立場から言うと、
ずっと違和感がありました。

DXされているのが
管理であって、人が変わるプロセスではない
と感じていたからです。

人が変わるかどうかは、
点数や履歴ではなく、
状態の変化に現れます。

この話は、
あらためてコラムとして詳しく書くことにします。

どうしたら、人は変わるのか

研修を作り続け、
失敗し、やり直し、磨き直し、
現場実践を重ねた末に、
最後に残った問いは一つでした。

どうしたら、人は変わるのか。

この本は、
その問いに対して
机上の空論ではなく、
現場実践から得た答えを整理した「トリセツ」です。

正解を教える本ではありません。
人を無理に変える方法を書く本でもありません。

人が変わる環境を、どう扱えばいいのか。
その取扱説明書です。

次に続く章では、
なぜ私が
「研修は生物である」
と考えるようになったのか、
その原体験から書いていきます。

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富士 翔大郎

シニアインストラクター

● 人材育成、DX・IT、コンサル、マーケの経験を踏まえて、人材教育の新たなアプローチを探求中 明大法なのに齋藤孝ゼミ🤣 教免3種ホルダー イノベーション融合学会専務理事 教育研究家、モノカキの時は、「富士 翔大郎」と言います。天才トム・ショルツの「BOSTON」と「マニュアル車」「海外ドラマ」をこよなく愛する静岡県民

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