8️⃣【決定版】人材育成のトリセツ(取扱説明書)――第8回ツールは、思想の“延長線”にしか置かない

2026.02.07

組織・人材

8️⃣【決定版】人材育成のトリセツ(取扱説明書)――第8回ツールは、思想の“延長線”にしか置かない

富士 翔大郎
人材育成コンサルタント、シニアインストラクター

【決定版】人材育成のトリセツ(取扱説明書)――第8回 ツールは、思想を「行動」に変えるためにある ――三色カードとスマイルバッジの本当の役割 研修の話をすると、 必ず聞かれる質問がある。 「そのツール、どこで買えるんですか?」 「うちでも同じものを使えば、うまくいきますか?」 私は、この質問に即答しない。 なぜなら、 ツールだけを真似しても、何も起きない ことを知っているからだ。

ツールは、思想を「行動」に変えるためにある

――三色カードとスマイルバッジの本当の役割

研修の話をすると、
必ず聞かれる質問がある。

「そのツール、どこで買えるんですか?」
「うちでも同じものを使えば、うまくいきますか?」

私は、この質問に即答しない。

なぜなら、
ツールだけを真似しても、何も起きない
ことを知っているからだ。


ツールは「ノウハウ」ではない

三色カード。
スマイルバッジ。
クレドカード。
メンターカード。

一見すると、
研修を盛り上げるための“小道具”に見えるかもしれない。

だが、私にとってツールは、

思想を、行動に変えるための翻訳装置だった。



先にあったのは、たった一つのルール

私が最初に決めたのは、これだけだ。


グループワークでは、
自分のために発言してはいけない。
他人のために発言する。


• 興味を持って聞く
• 質問する
• 褒める
• 助言する


ネガティブ発言は禁止。

だが、
これを言葉だけで説明すると、
必ず形骸化する。

そこで必要だったのが、
視覚化されたルールだった。



三色カードは「注意」ではなく「合図」

三色カードは、
誰かを叱るための道具ではない。
• グリーン:ナイスな発言
• イエロー:ネガティブ
• レッド:場を壊す行為

使い方は、サッカーと同じ。

重要なのは、
実際に使うかどうかではない。

机の上に置いてあるだけで、
場に“基準”が生まれる。

何が歓迎され、
何が歓迎されないかが、
一瞬で共有される。



スマイルバッジは「笑顔」の重要性を見える化する。

特に管理職研修では、
こんな課題があった。
• 本人は普通のつもり
• だが部下から見ると怖い
• 表情を意識しろと言っても続かない

そこで私は、
こう考えた。

笑顔を求めるのではなく、
笑顔の“代わり”を置こう。

スマイルバッジは、
そのための装置だ。
• 表情を作れなくてもいい
• でも「話しかけていい」というサインになる
• 部下が声をかけやすくなる

結果、
注意より先に、対話が増えた。



ツールは「使わせない」から機能する

ここで、
一番大事なポイントがある。

私は、
• 使い方を細かく教えない
• 強制しない
• 成果を求めない

なぜか。

ツールは、
自分で意味づけされた瞬間に、
行動を変えるから

実際、アンケートを見ると、

「こんな使い方もできると思った」
「現場でも使えそうだ」

と、参加者のほうが
勝手に発展させていく。

これは、狙い通りだった。



ツールは「文化の芽」になる

研修が終わった後、
• 三色カードが職場で使われる
• スマイルバッジがつけられる

こうしたことが起き始めると、
研修は一過性ではなくなる。

ツールは、
思想が日常に入り込むための“媒介”

になる。



ツールから入ると、必ず失敗する

最後に、
はっきり言っておく。

ツールから研修を考えると、必ず失敗する。

なぜなら、
• 何のためか分からない
• 文脈が共有されていない
• 形だけが残る

結果、
「うちには合わなかった」で終わる。

それは、
ツールの問題ではない。



私がツールを作った理由

私は、
「研修をうまくやりたかった」のではない。

人が、自分で考え、
自分で動き、
他人を支援する状態をつくりたかった。

ツールは、
そのための“補助輪”だ。



次回予告

次回は、
このメソッドを支えていた
人事側の覚悟とチームづくりの話をする。
• なぜ担当者教育から始めたのか
• なぜ全研修に立ち会い続けたのか
• なぜ私がいなくなっても回ったのか

属人化しない人材育成の核心に入る。

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富士 翔大郎

人材育成コンサルタント、シニアインストラクター

● 人材育成、DX・IT、コンサル、マーケの経験を踏まえて、人材教育の新たなアプローチを探求中 明大法なのに齋藤孝ゼミ🤣 教免3種ホルダー イノベーション融合学会専務理事 教育研究家、モノカキの時は、「富士 翔大郎」と言います。天才トム・ショルツの「BOSTON」と「マニュアル車」「海外ドラマ」をこよなく愛する静岡県民

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