【決定版】人材育成のトリセツ(取扱説明書)――第1回なぜ会社の研修は、後回しにされてしまうのか

2026.01.24

組織・人材

【決定版】人材育成のトリセツ(取扱説明書)――第1回なぜ会社の研修は、後回しにされてしまうのか

富士 翔大郎
シニアインストラクター

【決定版】人材育成のトリセツ(取扱説明書)――第1回 なぜ会社の研修は、後回しにされてしまうのか 研修が嫌われている、とは思っていない。 少なくとも、私が現場で見てきた社員たちは、そうではなかった。 資格取得の研修や、専門スキルを高める講座には、自然と人が集まる。 忙しい中でも時間をつくり、事前に調べ、真剣に参加する。 一方で、階層別研修や会社指定の研修になると、空気が変わる。 「意味がない」と言っているわけではない。 「行きたくない」と拒否しているわけでもない。 ただ―― 忙しい中で、どうしても後回しになる。 私はこの違和感から、人材育成の仕事を考え続けてきた。

【決定版】人材育成のトリセツ(取扱説明書)――第1回


なぜ会社の研修は、後回しにされてしまうのか

研修が嫌われている、とは思っていない。
少なくとも、私が現場で見てきた社員たちは、そうではなかった。

資格取得の研修や、専門スキルを高める講座には、自然と人が集まる。
忙しい中でも時間をつくり、事前に調べ、真剣に参加する。

一方で、階層別研修や会社指定の研修になると、空気が変わる。

「意味がない」と言っているわけではない。
「行きたくない」と拒否しているわけでもない。

ただ――
忙しい中で、どうしても後回しになる。

私はこの違和感から、人材育成の仕事を考え続けてきた。



違いは「研修の質」ではない

よくある説明は、こうだ。
• 会社の研修はつまらない
• 講師が良くない
• 内容が古い

しかし、7年間、数え切れないほどの研修に立ち会ってきて分かったのは、
問題はそこではないということだ。

決定的な違いは、もっとシンプルだった。

その研修を、自分で選んでいるかどうか

資格取得研修には、はっきりした目的がある。
• 何が身につくのか
• どんな場面で使えるのか
• 自分の将来にどうつながるのか

そして何より、
「自分で選んだ」という感覚がある。

この時点で、人はすでに前を向いている。

「強制された学び」が優先されない理由

階層別研修や会社指定研修は、どうしても逆になる。
• なぜ今これをやるのか分からない
• 自分の課題と結びついていない
• 選択の余地がない

結果として、研修はこう扱われる。

「大事だとは思うけど、今じゃない」

これは社員の意識の問題ではない。
人として、ごく自然な反応だ。

人は、自分で選べないものに、
本気になることができない。



会社の研修が抱える、構造的な矛盾

ここで、多くの会社が見落としている矛盾がある。

会社はこう言う。
• 人を育てたい
• 将来を担う人材をつくりたい

その一方で、
• 研修の目的は曖昧なまま
• ターゲットは一括り
• 内容は前年踏襲
• 効果は満足度アンケートで判断

これでは、社員が研修を
「自分の時間を使う価値のあるもの」
として扱えなくなるのは当然だ。



研修は「商品」であり「サービス」である

私がたどり着いた結論は、シンプルだ。

研修は、社員というお客様に提供する商品であり、サービスである。


商品である以上、
• 誰に
• 何を
• どんな価値として
• どんな体験で届けるのか

を設計しなければならない。

それをせずに、

「会社のためだから」
「成長のためだから」

と言っても、
人は動かない。



後回しにされる研修から、選ばれる研修へ

会社の研修が後回しにされるのは、
社員の意識が低いからでも、
研修が無意味だからでもない。

選ばれる設計になっていないだけ

だ。

この連載では、
• なぜ研修はイベントで終わるのか
• なぜ満足度では人は変わらないのか
• どうすれば強制研修でも「自分ごと」になるのか

を、机上の理論ではなく、
現場で磨かれた実践から解き明かしていく。



次回予告

次回は、
私が最初に作った研修フレームの話をする。

なぜ研修は、
当日ではなく「3か月前」から始まっているのか。

なぜ私は、
研修の効果を5段階で把握するようになったのか。

すべては、
人が変わる瞬間を、現場で見続けた結果だ。

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富士 翔大郎

シニアインストラクター

● 人材育成、DX・IT、コンサル、マーケの経験を踏まえて、人材教育の新たなアプローチを探求中 明大法なのに齋藤孝ゼミ🤣 教免3種ホルダー イノベーション融合学会専務理事 教育研究家、モノカキの時は、「富士 翔大郎」と言います。天才トム・ショルツの「BOSTON」と「マニュアル車」「海外ドラマ」をこよなく愛する静岡県民

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