メガトレンドは企業戦略の羅針盤となる。2010年代の代表的予測を検証し、「外れ」が示す不確実性から次の一手を考えたい。
一方で、「見えていなかったもの」として、価値観の反動、社会の二極化と中間層の劣化、地政学的衝突、安全保障の復権、そしてAIの急速な進展が加わった。これらは不確実性を増幅し、従来の社会予測を一気に塗り替える力を持つ。
企業にとって重要なのは、「当たった予測」を前提に計画を立てつつ、「外れた予測」が示す不確実性に備える二重構えの姿勢である。具体的には、
- シナリオプランニングの常態化:一つの未来像に依存せず、複数シナリオを常に検討する。
- レジリエンス投資:地政学リスクやサプライチェーン分断に備え、柔軟なオペレーション体制を構築する。
- 人材とAIの共進化:AIが知的労働に浸透する中で、人間が担うべき領域を再定義し、教育・スキル再開発に注力する。
- 社会的価値の再設計:二極化や分断の中で企業が果たすべき役割を問い直し、持続可能性や包摂性を戦略の軸に据える。
2010年代の未来予測を「当たった部分」と「外れた部分」に切り分けることは、単なる回顧ではない。そこから「次の未来予測」を構築するための出発点が見えてくるのである。
経営・事業戦略
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パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長
「世界的戦略ファームのノウハウ」×「事業会社での事業開発実務」×「身銭での投資・起業経験」。 足掛け38年にわたりプライム上場企業を中心に300近いプロジェクトを主導。 ✅パスファインダーズ社は大企業・中堅企業向けの事業開発・事業戦略策定にフォーカスした戦略コンサルティング会社。AIとデータサイエンス技術によるDX化を支援する「ADXサービス」を展開中。https://www.pathfinders.co.jp/ ✅第二創業期の中小企業向けの経営戦略研究会『羅針盤倶楽部』を主宰。https://www.facebook.com/rashimbanclub/
