法然上人から学ぶ未来経営

2013.02.22

経営・マネジメント

法然上人から学ぶ未来経営

石塚 しのぶ
ダイナ・サーチ、インク 代表

数百年の時を越えて、法然上人の教えが経営の未来像に息づいています。キーワードは「共生」。

「わがこと」だけを考えてビジネスを行っていくと、短期的にはいいかもしれませんが、長期的には自滅することになります。顧客に損をさせるようなことをすれば信頼を失い、顧客は離れていきますし、働く人の幸せを考慮に入れずに酷使することだけ考えれば不満だらけの職場になり、自ずと商品やサービスの質に悪影響を及ぼすことになります。また、取引先を叩いて安い価格を出させれば、そのしわ寄せが品質に及んだり、最悪の場合には相手の会社を倒産に追い込むことになったりするでしょう。流通に例えていえば、そもそも物を作ってくれるところがなければ、販売業を営むことはできません。

未来企業は、法然上人の思想に酷似した考え方をもち、
1. 社会の繁栄や環境の保護に貢献してこそ、企業の繁栄がある
2. 他の企業と協業し、成果を分かち合ってこそ、好機を培養し、共に豊かになることができる(=ノン・ゼロ・サム理論)
3. 企業は働く人(社員)や顧客と運命共同体であり、目標や情熱を共有し、お互いの幸せを最優先に掲げて行動してこそ、長期的な繁栄が望める

の原則に則った経営をしています。

法然上人の教えは、「人間であるということは、他者に対する責任、社会に対する責任、自然に対する責任、そして、過去や未来に対する責任を負うことだ」という厳しい世界観にもつながっていますが、これはまさしく、『未来企業は共に夢を見る』の中で取り上げた企業が主張し、体現していることでもあります。

偶然の巡りあわせといえばそれまでなのですが、私の祖父がライフワークとして取り組んだ法然の研究が私の仕事とつながっていたことに深い感動を覚えたのでした。

新著『未来企業は共に夢を見る~コア・バリュー経営~』のお知らせ
http://www.dyna-search.com/jp/writing/book

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石塚 しのぶ

ダイナ・サーチ、インク 代表

ダイナ・サーチ、インク代表 https://www.dyna-search.com/jp/ 一般社団法人コア・バリュー経営協会理事 https://www.corevalue.or.jp/ 南カリフォルニア大学オペレーション・リサーチ学科修士課程修了。米国企業で経験を積んだのち、1982年に日米間のビジネス・コンサルティング会社、ダイナ・サーチ(Dyna-Search, Inc.)をカリフォルニア州ロサンゼルスに設立。米優良企業の研究を通し、日本企業の革新を支援してきた。アメリカのネット通販会社ザッポスや、規模ではなく偉大さを追求する中小企業群スモール・ジャイアンツなどの研究を踏まえ、生活者主体の時代に対応する経営革新手法として「コア・バリュー経営」を提唱。2009年以来、社員も顧客もハッピーで、生産性の高い会社を目指す志の高い経営者を対象に、コンサルティング・執筆・講演・リーダーシップ教育活動を精力的に行っている。主な著書に、『コア・バリュー・リーダーシップ』(PHPエディターズ・グループ)、『アメリカで「小さいのに偉大だ!」といわれる企業のシンプルで強い戦略』(PHP研究所)、『ザッポスの奇跡 改訂版 ~アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略~』(廣済堂出版)、『未来企業は共に夢を見る ―コア・バリュー経営―』(東京図書出版)などがある。

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