「好き」をそのまま労働化してはいけない。

2010.12.04

仕事術

「好き」をそのまま労働化してはいけない。

寺西 隆行
(株)Z会 教室事業部特命職

あ、興味のあること、好きなことを、仕事にすることについて否定しているわけではもちろんありませんよ。 誰かからお金を頂戴するモノを生み出す「労働」をする際に、自分の「好き」という気持ちを必要以上に反映させてはダメ、ということです。 いや、必要以上というより、内心で“好きな仕事なんだから、なんだから…”と自分を抑え込む動きをしなければいけないでしょう。

実際、自分が職場の後輩(Aくん、とします)を過去に見ていて感じた事例を挙げてみます。
※内容そのものは一部事実、一部フィクションで書いています。

Aくん、様々なことに興味があります。勉強のためにセミナーなんかにも自腹で行きます。
弊社Z会は静岡県三島市ですので、三島から東京までの交通費の分、首都圏在住の方より割高になりますが、それでも行くほど、勉強熱心です。

しかし、仕事の中で、提案はそこそこするものの、その提案を「行動」に結びつけるだけのパワーがどうもないなあ…と感じていました。

そんなAくんからあるとき、○○という社とコラボしてこんなことできないか?と提案がありました。
抽象的な立案の域を出ていませんでしたが、前向きな提案だったので、いいじゃん、進めてみなよ、と言ってみました。
…するとどうでしょう、社内関係部署に話を持ちかけ、場をセッティングするわ、今の提案ではちょっと欠けてるなーというところを指摘すると「ではこんなのは?」と代替案を出すわ…
今まで彼に欠けていた「行動」に移っていました。

彼は○○という社と一緒に仕事することそのものが好きだったんですね。

行動に移ったのは今までにない姿なので、これはこれで嬉しい、と思って見つめていました。
しかし、出す代替案、代替案が、具体論に落ちません。

「○○は行政機関とのつながりが強いから、文科省を説得しませんか?」
…って、どういうポイントを?説得の窓口は誰?

「○○はどんどん海外に進出していますから、Z会も海外用の教材作ればいいじゃないですか?」
…誰が?どの言語を?そこに市場は?どうやって売るの?

僕は…以下の?がいっぱいでしたが、彼の中ではすでに「 」がうまくいく展開が見えていたようです。
そして、僕の?の部分を伝えると、「そうですね、考えます!」といって、いつまでたっても具体的な案が出てこない…。

「好き」を労働化しようとすると、こうなります。

Yahoo!の辞書(出典:大辞泉)で「労働」を調べると、こんな文章が出てきます。

労働:からだを使って働くこと。特に、収入を得る目的で、からだや知能を使って働くこと。

“収入を得る目的で”

ここがポイントだと思います。

“好き”という気持ちは主観です。
主観のまま労働化しようとしても、客観になりませんから、労働になりません。
つまり、自分にとって価値のあるものは、他人にとって価値があるとは限らず、そのため“収入を得る目的”が達成されません。これはすなわち、労働にならないということなんです。

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寺西 隆行

寺西 隆行

(株)Z会 教室事業部特命職

幼児から大学生・若手社会人の教育に携わる(株)Z会にて、教室部門にて様々な開発に奮闘中。前任ではWeb広告宣伝・広報・マーケティングなどを担当。 ※本サイト投稿記事は個人の見解です。

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