2026.10.06
🔟AI時代を読み解くキーワード⑩ AI Governance──AIを止めるためではない。安全に「使い切る」ための経営設計
富士 翔大郎
人材育成コンサルタント、シニアインストラクター
AI時代を読み解くキーワード⑩ AI Governance AIを止めるためではない――企業がAIを安全に「使い切る」ための経営設計 AI時代には、新しい技術用語が次々と登場します。
文章作成なら本人の確認だけで十分かもしれません。
一方、
・採用
・評価
・昇進
・融資
・医療
・安全
など、人の人生や権利に影響する用途では、より厳しい管理が必要です。
EUのAI Actも、リスクに応じて規制の強さを変える考え方を採っています。
🔳まず「社内で何にAIを使っているか」を知る
AI Governanceの第一歩は、
社内で使われているAIを把握すること
です。
経営者が「うちでは生成AIを導入していない」と思っていても、社員はすでに使っているかもしれません。
文章作成、翻訳、議事録、市場調査、プログラム開発など、AIはさまざまな仕事へ入り込んでいます。
そこで、
・どのAIを
・どの部署が
・何の目的で
・どんなデータを使って
・どんな判断に利用しているか
・誰が責任を持つか
を把握します。
いわゆる**AI Inventory(AI台帳)**です。
そして重要なのは製品名ではありません。
同じAIでも、何に使うかによってリスクは変わる
からです。
🔳「最後は人間が確認」だけでは不十分
AI GovernanceではHuman in the Loopが重要になります。
しかし、
「最後は人間が確認します」
だけでは意味がありません。
誰が確認するのか。
何を確認するのか。
その人に判断できる知識があるのか。
そしてAIの判断を本当に覆せるのか。
ここまで設計する必要があります。
AIが100人の採用候補者を順位付けして、人間が上位10人だけを見るなら、形式上は人間が確認していても、実質的にはAIが選別しています。
Human in the Loopとは、
人間が実際に判断を変更できる状態
をつくることです。
🔳人事AIは特に慎重に
人事領域でもAI活用は広がります。
求人票作成、面接質問、社員アンケート分析、スキル整理などは有効でしょう。
しかし、
採用・評価・昇進・配置・退職
となると話は別です。
過去の人事データに偏りがあれば、AIはその偏りまで学習します。
さらに危険なのが、
「AIがそう判断したから」
という責任逃れです。
AIが人を扱う場合には、
・本人へ目的を説明する
・必要以上のデータを使わない
・AIだけで決定しない
・異議申し立てを可能にする
・偏りを定期的に確認する
・最終責任者を決める
といった仕組みが必要です。
🔳人間を数字だけで決めつけない
これは人財育成でも重要だと思います。
人財データを大量に集めれば、AIが社員の能力や将来性を正確に予測できるように見えます。
AI時代を読み解くキーワード
人材育成コンサルタント、シニアインストラクター
● 人材育成、DX・IT、コンサル、マーケの経験を踏まえて、人材教育の新たなアプローチを探求中 明大法なのに齋藤孝ゼミ🤣 教免3種ホルダー イノベーション融合学会専務理事 教育研究家、モノカキの時は、「富士 翔大郎」と言います。天才トム・ショルツの「BOSTON」と「マニュアル車」「海外ドラマ」をこよなく愛する静岡県民
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