人が育たない会社ほど、採用に逃げる ――離職が止まらない企業に必要なのは「人を採る力」ではなく「人が育つ器」である

2026.05.20

組織・人材

人が育たない会社ほど、採用に逃げる ――離職が止まらない企業に必要なのは「人を採る力」ではなく「人が育つ器」である

齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

人が辞める。若手が続かない。現場が足りない。管理職が疲弊している。そのたびに、多くの企業はこう言う。 「もっと採用に力を入れなければならない」もちろん、採用は重要である。人がいなければ事業は回らない。 欠員が出れば、現場は苦しくなる。人手不足が深刻化する中で、採用活動を止めることはできない。 しかし、ここで問わなければならない。 なぜ、人が育たない会社ほど、採用にばかり力を入れるのか。

8. 改善の第一歩は、「3つの壁」を壊すことから始まる

人が育つ職場には、共通点がある。

それは、知識やスキルを教える前に、
人が関われる土台があることだ。

ここで重要になるのが、3つの壁である。

1つ目は、曖昧性の壁

伝えたつもり。聞いたつもり。分かったつもり。任せたつもり。

この「つもり」が積み重なると、若手は迷う。
迷っても聞けない。聞けないまま失敗する。失敗して叱られる。すると、次から動かなくなる。

だから、育つ職場では、
伝わるまで伝える
分かるまで確認する
曖昧なまま放置しない
という文化が必要になる。

2つ目は、関係性の壁

人は、信頼していない相手には相談しない。
大切にされていないと感じる場では、本音を出さない。
否定されるかもしれない職場では、挑戦しない。

若手が動かないのではない。
動ける関係性がないのである。

だから、育つ職場では、
相談してよい関係
失敗を学びに変える関係
互いに支援し合う関係
をつくる必要がある。

3つ目は、存在の壁

職場において、人は単に作業者ではない。
その人の存在そのものが、チームに影響を与えている。

挨拶をする。相手を見る。本気で取り組む。時間を守る。声を出す。助ける。感謝する。
前向きな空気をつくる。

こうした一つひとつの振る舞いが、チームの空気をつくる。

逆に、何もしない。
関わらない。
傍観する。
不満だけを漏らす。
冷めた態度で場にいる。

これもまた、チームに影響を与える。

つまり、人材育成とは、スキル教育だけではない。
一人ひとりが、チームにどのような影響を与える存在になるのかを磨くことである。

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齋藤 秀樹

株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。

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