人が育たない会社ほど、採用に逃げる ――離職が止まらない企業に必要なのは「人を採る力」ではなく「人が育つ器」である

2026.05.20

組織・人材

人が育たない会社ほど、採用に逃げる ――離職が止まらない企業に必要なのは「人を採る力」ではなく「人が育つ器」である

齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

人が辞める。若手が続かない。現場が足りない。管理職が疲弊している。そのたびに、多くの企業はこう言う。 「もっと採用に力を入れなければならない」もちろん、採用は重要である。人がいなければ事業は回らない。 欠員が出れば、現場は苦しくなる。人手不足が深刻化する中で、採用活動を止めることはできない。 しかし、ここで問わなければならない。 なぜ、人が育たない会社ほど、採用にばかり力を入れるのか。

9. 採用後90日で決まるのは、能力ではなく「この会社で育つ覚悟」である

新人や若手は、入社後すぐに会社を見ている。

この上司は、自分を見てくれるのか。
この職場では、分からないと言っていいのか。
このチームでは、失敗しても終わりではないのか。
この会社では、自分は成長できるのか。
ここにいる先輩たちは、未来の自分として憧れられるのか。

ここで希望を持てなければ、若手は静かに離脱していく。

身体は会社にいても、心は離れている。
言われたことはやるが、本気にはならない。
辞めてはいないが、すでに辞める準備をしている。

これが、離職の前段階である。

だから企業は、採用後90日を「試用期間」として見るのではなく、
関係性形成期間
成長実感設計期間
チーム参加準備期間
として再設計すべきである。

最初の90日で必要なのは、詰め込み教育ではない。
放置型OJTでもない。
現場任せの「見て覚えろ」でもない。

必要なのは、次の3つである。

  1. この会社で何を大切にするのかを伝えること
  2. 分からないことを言える関係をつくること
  3. 小さな貢献を実感できる経験を積ませること

若手は、いきなり大きな成果を出したいわけではない。
まず、自分がこの場にいていいと思いたい。
次に、自分も役に立てると思いたい。
そして、この場所で成長できると思いたい。

この順番を間違えると、育成は失敗する。

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齋藤 秀樹

株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。

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