『徒然草』の執筆背景:脱サラとFIREの先駆者(1)

2021.09.09

ライフ・ソーシャル

『徒然草』の執筆背景:脱サラとFIREの先駆者(1)

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/当時、私度僧でも功績によって僧官になる道があり、兼好もまた二十代後半で出家して寄進斡旋や和歌名声でこの道をもくろむも、すでに僧籍は寄進貴族の子女に占められており、兼好は形ばかりの仏道に甘んじる無行で開き直る。しかし、四十代後半、倒幕による命の危機を感じるに至って、わずか数年で『徒然草』を書き上げる。/

 また、農村の中には結束して武装し、代官らの立ち入りを拒否する、それどころか山賊野盗化して、代官を襲撃することも起きてくる。兼好よりやや若い楠木正成(1294?~1336)も、そのひとりである。現地荘園と同様、既存寺院においても、その大半を占める昇格できない不平衆徒や荘園村からの動員行人たちは、名目身分だけの俗物貴族子女の「学侶」の支配に対して、公然と反抗するようになってくる。彼らは、一般の荘園からの逃散民も迎え入れて膨れ上がり、延暦寺だけで数千人になった。そして、この直後、後醍醐天皇は、この延暦寺の武装不平勢力に依拠して、倒幕を実行に移す。


(2)に続く

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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