au明細書の“海外通信料金84万円也”に驚かされた

画像: CNN International Edition

2015.04.24

経営・マネジメント

au明細書の“海外通信料金84万円也”に驚かされた

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

一昔前と違って、国際電話がとんでもない高額になることは最近少ない。ましてやデータ通信であればなおさら。にもかかわらず、データ量を抑えながらネットを使ったのに、帰国後に取り寄せた明細書には桁違いの料金表示が…。心臓に悪い、こんな『ふっかけ商売』はなしにして欲しいもの。

結局、この騒動は何だったのか。結論的には、小生が怪しんだ『ふっかけ商売』なのだ。

5万円という高額ではなかったが、一人の4日間の通信だけで1.2万円だから決して安くはない。でも84万円という高額請求の可能性が頭をよぎった後だから、1.2万円がすごく安く感じたのも事実だ。ただ個人的にはとても嫌な感じが残った。

そもそもデジタル通信に掛かるコストは加速度的に低減している。ルーターやサーバーなど通信会社にとっての設備料金は激減しており、相互接続のコストもまた10年で2桁3桁は下がっているはずだ。

そんな中、10年以上前のような通信料金を示して、「ホントはこんなにコストが掛かっているのですが、わが社の経営努力で思い切って割引しちゃいますね」とばかりに恩着せがましくアピールするのは、一種の「偽装」行為だ。そこが嫌らしいと感じさせる部分なのだ。

auの業務プロセスにおける問題は、最初の問い合わせ窓口の対応と通信明細書の書き方という2点だ。それらのいずれかがまともであれば、我が家が大いに心配する必要もなく、明細開示に手間暇を掛ける必要もなく、auのユーザーサポート窓口の仕事も減ったはずだ。結果として、auに対する我が家のロイヤルティが毀損し不信感が募ることもなかっただろう。

ではどうなっていればよかったのだろうか。実にシンプルだ。最初の問い合わせ窓口が事情を聴いた際に「もしかすると割引前の料金かも知れません」と気付いてくれて、その場で実際の請求金額を調べてくれれば、すぐに「なーんだ」となって、一番良かったはずだ。

仮にその段階で事情が判明せずに通信明細を取り寄せることになったとしても、明細書に割引後の料金も記載してあれば、誤解の余地はない。もしそこまでは当面システム的にできないとしても、グロパスの「通信料合計」に括弧書きで(割引前)とあれば済む話だ。全く人騒がせで不親切な表記方法だ。

同社にはまだ昔の官製「国際電信電話(株)」の感覚が残っているのかも知れない。残念だ。

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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

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