仮説の“検証”とはどんなもの?(実例その2)

画像: Connie Ma

2015.07.27

経営・マネジメント

仮説の“検証”とはどんなもの?(実例その2)

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

仮説の「検証」。よく使われる言葉でありながら、体験している人と未体験の人とで、認識しているイメージが随分違うのではないか。また体験数の多寡によってもイメージの幅が大いに違うだろう。「こんなのもありますよ」という意味で、幾つか実例を示したい。(続き)

併せて、在庫に関するシミュレーションも繰り返し、一時的にだけでなく中期的にも流通在庫量を大幅に抑制できることを立証できた。

しかし何せ従来と全く異なる供給方法になるため、取引先である販売代理店が本当に容認してくれるのか、このメーカーの経営陣は不安を隠せなかった。

そこで「うるさ型」と目される販売代理店を手分けして行脚し、改革のコンセプトや期待効果などを説明し、何か懸念点が残るのかをヒアリングした。

結果からいうと「案ずるより産むが易し」で、どの代理店も、死在庫を大量に抱えて困った過去の悩ましい経験から解放されることに歓迎の意を表してくれ、検証作業は無事終了した。

いかがだろう。それぞれ全くタイプの違うイシューと仮説、その検証の例を挙げてみたが、「検証」のイメージを描いていただくのに少しはお役に立っただろうか。

「言われてみると、あれも『検証』だったのか」と思えるような、似たようなことを仕事で経験した方も意外と多いのではないだろうか。

ただし何となく確かめるのではなく、「どういう仮説の、どういう点を検証しようとしているのか」を意識して計画・実行することが大切である。さもないと、ピントがズレた検証になりかねないからだ。

(本記事は2013年10月22日に掲載されたものを再編集しております)

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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

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