仮説の“検証”とはどんなもの?(実例その1)

画像: Steven Lilley

2015.07.23

経営・マネジメント

仮説の“検証”とはどんなもの?(実例その1)

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

仮説の「検証」。よく使われる言葉でありながら、体験している人と未体験の人とで、認識しているイメージが随分違うのではないか。また体験数の多寡によってもイメージの幅が大いに違うだろう。「こんなのもありますよ」という意味で、幾つか実例を示したい。

前の記事で検証をせずにいきなり実施することの無謀・軽率さを説いたところ、「検証って具体的にどんなことをすればいいのか」という質問を幾つかいただいた。やはり仮説の「検証」というのは多くの人にとってイメージしにくいようだ。

一般的な意味合いとしては、自分が「前提」として「想定」している「仮説」が本当に確からしいのか、当てにしていいのか、他の人にも理解・納得できるように「考証」「論証」「物証」を挙げることである。

しかし現実問題として、どんな背景でどんな仮説を立てたのかによって、検証すべき事柄およびそのやり方は千差万別である。だから「検証とは」という一般的な説明だけでは、あまり役に立たないかも知れない。

そこで小生が携わった、ちょっと極端な実例を示すことで、「へー、そんなのも『検証』なのか」といった具合に広めのイメージを持っていただくほうがよいのではないかと考え、数回に分けて幾つか挙げてみたい。

一つ目は日本のネットサービスの例。それまでに世の中にない、消費者と企業をつなぐB2B2Cサービスだった。

そのために本当に消費者を満足させることができ、利用者と加盟企業が両方増えるシナリオ(仮説)が成り立つのか、どこにも確たる証拠はないため、経営者としては踏み切っていいものか判断できないという状況だった。ただしビジネスモデルとしては誰もが称賛するような、よくできたものだった。

関係者が欲しかったのは、背中を押してくれる論拠だった。

そこで小生のチームが行ったのは、ビジネスが成功するというロジック(仮説)の構成要素ごとの仮説検証と、その組み合わせによる結論づけだった(コンサルティングの世界での専門用語的にはイシュー分析という手法である)。

詳細は省くが、「このサービスは消費者から本当に求められているのか?」「その提供方法はこれで大丈夫か?」といった幾つかの問いに対しては、想定ユーザーに近い消費者を集めたグルインを重ねて個々にヒアリングした。「XXX万以上の消費者に対し自社商品をこれこれの方法でアピールできるなら、宣伝予算の一部を振り分けるか」などの質問を、取引候補企業に対しヒアリングで検証した。

その一方で、「(その提供方法において想定される)ボトルネック解消はこれで可能か?」「(消費者の望む)サービスレベルは24h365日、維持できるか?」など、多岐にわたるチェック項目をクリアできることを、準備スタッフらと詰めた。

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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

弊社は新規事業の開発・推進・見直しを中心とした戦略コンサルティング・サービスを提供しております。弊社のコンサルティングの特長は次の4つです。 1.独自の「イシュー分析」手法に基づき、「どういうロジックで、何を検討するのか」というワークプラン、および「誰がいつまでに何をするのか」というWBSチャートを初期段階から明示 ⇒ 迷わない。素早く、前もって動ける。 2.社内プロジェクトチームに少数のコンサルタントが入る混成チームで進める ⇒ メンバーへ刺激。 3.ハンズオン指導と作業分担の組み合わせで進める ⇒ スピード感とメンバー成長の両立。 4.(知識・経験依存でなく)「仮説思考」「ファクトベース」を重視 ⇒ 科学的アプローチによる納得性。 詳しくは弊社HPをご覧ください。ご登録いただければメルマガもお届けします。

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