第3回:キャリアの目的(キャリアデザイン基礎講座)

2010.10.16

ライフ・ソーシャル

第3回:キャリアの目的(キャリアデザイン基礎講座)

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

以前別のところで公開したものですが現在閲覧できないため、インサイトナウにて改めて公開します。キャリアデザインの基本的な考え方が理解できます!

第3回 キャリアの目的

今回は、キャリアの目的について考えてみましょう。

人生やキャリアに目的や意味を求めてしまうのが人間
社会人になったばかりで何もわからず、とにかく仕事を覚えるためにがむしゃらに働いている時、

「キャリアの目的」

なんてあまり考えないものですよね。
いや、考える余裕がないといった方が正確でしょうか。

でも、ある程度仕事に慣れ、また会社での自分のポジションがわかり、そして今後の自分のキャリアの行く末がある程度見えてくる30歳前後になると、多くの人は「何のために働くのか」という難しい問いに悩まされることになります。

「働く目的」、言い換えると「働く意味」、あるいは、人生全体にまで視野を広げれば「生きる意味」となりますが、こうしたことに対する答えを求めたがるのは、おそらく人間だけでしょう。

人間以外の生物たちも、一定の知性や感情を持ち合わせてはいますが、「生きる意味」といった哲学的な思考はしてはいません。彼らはただ、生きるために生きています。そして、すでに遺伝子にビルトインされている生きる目的は、次世代に生命をつないでいくこと。つまり、ただ子孫を残すことが、生物の「生きる目的」だと言えます。

しかし、人という種は、ただ生きるだけ、生命をつないでいくだけ、では満足できない。
自分はなんのために生きるのか、生きる意味は何なのかをおそらく、「本能的」に求めてしまう。そしてこの答えが見つからないと、生きることがとてもつらく感じる。働く目的、意味についても同様。

要するに、人は自分の行動に対してなんらかの意味づけが必要なのです。

[キャリア、また人生にも、「絶対的な目的」というものはない]

実は、こうしたことに対して答えを与えてくれるのが、「宗教」ですね。
残念ながら私は宗教に詳しいわけではありませんので、深入りは避けますが、ほぼすべての「宗教」が人に教えることは、生きる、働く目的や意味、使命です。

ただ、世界には宗教の宗派が山ほどあることからおわかりになると思いますが、唯一絶対的な目的はないと考えるべきでしょう。よしんばあったとしても、あなた自身がそれを受け入れる(=信じる)なければ、それは絶対的なものではないのです。

ですから、そもそも

「キャリアにも、また人生にも、絶対的な目的はない」

ということをこのキャリアデザイン基礎講座では大前提に置いています。

五木寛之氏は、著書「人生の目的」の中で次のようなことを述べています。

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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