【オルフェウス・プロセス】

2007.08.30

ライフ・ソーシャル

【オルフェウス・プロセス】

泉本 行志
株式会社アウトブレイン 代表取締役

もう一度読み返したい書籍 : 【オルフェウス・プロセス】  (著)ハーヴェイ・セイフター+ピーター・エコノミー

「オルフェスには指揮者がいない。しかし決してリーダーシップのない組織ではない。
それどころか、多数のリーダーがおり、各人が必要性に従ってリーダーの役割を務めている。」

指揮者のいないオーケストラ、「オルフェウス室内管弦楽団」に学ぶ
マルチ・リーダーシップ・マネージメント書です。

オルフェウスの構想は、指揮者の一方的な指導力に頼るのではなく、メンバーの技術、能力、積極的な参加をよりどころにする組織を運営しようというもの。これは、決してリーダーシップのない組織ではなく、それどころか、多数のリーダーがいて、各人が必要性に従ってリーダーの役割を務めているマルチ・リーダーシップ方式を意図している。つまり、カリスマ性と先見性のある強いリーダーが一方的に采配をふるうのではなく、メンバー全員がリーダーとしての責任を共有するシステムを創りようという考えである。

情報の流れが分秒単位で加速していく現代、スピードが、成長と生き残りのための最も重要な基準になる。
そのため、ビジネスの現場に最も近い層が意思決定と説明責任をもつ必要があり、旧来のピラミッド型の組織ではビジネスの潮流に対応しきれない。そこで、フラットな経営構造が必要となるが、一人のリーダーが組織の隅々まで目を配って舵取りするのは至難の業となる。そのような企業にとって、オルファウス・プロセスには、
大いに役立つ教訓が含まれていて、多くの組織経営の参考となっている。

このオルフェウスの成功は、核となる8つの原則の上に成り立っている。

■ その仕事をしている人に権限をもたせる
  組織が創造的な潜在能力を十分に発揮できるのは、メンバーに重大な意志決定をする権限を与えた場合だけ。権力と意思決定の権限が広く分散され、行使されていると大きな力を発揮できる。

■ 自己責任を負わせる
  つねに個人として提供するものの品質に責任を負う。管理者が問題を指摘したり解決したりするのを当てにするのではなく、できるだけ速やかに個々のメンバーが率先して問題の解決にあたる。

■ 役割を明確にする
  役割が明確でないと、従業員の対立、無駄な仕事、士気の低下につながり、最終的に提供サービスの質が低下する。 組織全体で役割と目的を明確に定め、それを明文化する。

■ リーダーシップを固定させない
  メンバー全員に、なんらかの点で、またなんらかの方法でリーダーの役割を務めるように推奨し、強く求める。リーダーシップを共有し交替することで、各々が独自にもつ技術や体験を組織のために生かせる。

次のページ■ 平等なチームワークを育てる

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

泉本 行志

株式会社アウトブレイン 代表取締役

フォロー フォローして泉本 行志の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。