【 21世紀の国富論 】②

2007.10.01

ライフ・ソーシャル

【 21世紀の国富論 】②

泉本 行志
株式会社アウトブレイン 代表取締役

もう一度読み返したい本: 【 21世紀の国富論 】② (著)原丈二 氏

前記事【 21世紀の国富論 】① のつづきです。

~新しい会社のガバナンス~

■ アメリカの企業では、経営において重要な判断を行なう委員会を牛耳っているのは、社外取締役である。
日本企業とアメリカ企業を比べると、取締役会の構成に大きな違いがある。日本では従業員から上がってきた人たちが取締役となり、ほぼ全員が内部からの昇進者である社内役員が占めている。これに対し、社外役員という、株主を代表する取締役が半数以上占めている場合が多いのがアメリカ企業である。

■ この社外取締役は株主を代表する役員なので、社長の意に反する発言をして解任されることはない。仮に社長がそのような理由で社外取締役を更迭するようなことがあれば、ただちに社外取締役会が召集され、社長のほうが首を切られてしまう。この株主利益を代表する社外取締役が半数以上いる限り、不正な会計は起きないだろうと考えられていたのが、アメリカ資本主義社会のコーポレート・ガバナンスである。

■ しかし、実際の上場企業では、社外取締役を選んでいるのはCEO自身であり、自分の息のかかった人物をつぎつぎと取締役にしている。このような社外取締役を、英語で「クローニー・ボード」と呼ばれ、本来の経営者をチェックするという役割を果たしていないケースがある。

■ 要するに、社外取締役を置くか置かないかなどといった「形」からコーポレート・ガバナンスを考えても限界があるし、やはり大切なのは経営している人々の理念なのである。

~ベンチャーキャピタルと創業企業~

■ 新しい時代の企業が、中長期の視野に立った経営を行なうために、ベンチャーキャピタルの役割は大きい。その役割は、単に新しい技術を見極め、そこに資金を投じるだけではない。資本政策、人事、営業活動なども支援し、あたかも「事業持ち株会社」のような役割が必要とされてくるだろう。

■ ほとんど何もないゼロの状態からはじめるベンチャーの技術開発においては、大きく2つのリスクが存在する。1つは、本当に開発した技術が動くのかという「テクノロジーリスク」。2つ目は、開発が成功した後、その製品が実際に市場で受け入れられるかという「マーケットリスク」。特にリスクが高いのは、1つ目の「テクノロジーリスク」段階にある企業である。

■ スタートアップの段階におけるベンチャーキャピタリストは、投資というより、共に会社をつくるといったスタンスに近いもの。創業経営者が共有できるビジョンの持ち主であり、それを実現できる技術をもっていて、何があっても実現させようという情熱がないと、とてもリスクと手間をかけて事業を共に創り上げていこうとしないだろう。

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