【 達人のサイエンス 】

2007.09.13

ライフ・ソーシャル

【 達人のサイエンス 】

泉本 行志
株式会社アウトブレイン 代表取締役

もう一度読み返したい本: 【 達人のサイエンス 】 (著)ジョージ・レナード

「人生とはプラクティスであり、終わりなき学びの旅である」

さまざまな領域の「達人」(マスター)と呼ばれる人々は、みずからの精神と肉体をどう鍛練しているのか?
一生涯にわたって自己成長をとげるための優美な人生修業のセオリー、「マスタリー(熟達)への道」を
明らかにした名著です。

本書の内容は、

マスタリーとは、「達人」への過程であり、案内図、地図などのない旅である。マスタリーの旅は、予想外の苦労を伴い、決して「最終的な目的地」に到達することはない旅である。しかも、その過程では、必ず「プラトー」
呼ばれる、伸び悩みの時期にぶち当たってしまう。

このマスタリーの旅を続けるには、自己の技術を磨き上げ、常に次の段階の能力を得ようと勤勉に練習しなければならない。さらに、かなりの時間をプラトーで過ごすことになり、その間はたとえ先が見えなくとても、練習を続けてなければならない。これが、マスタリーの旅の厳粛な事実なのである。

~マスタリーの道から脱落するタイプ~

このように、マスタリーの道のりは長く、簡単に成果が得られるようなものではない。その結果、人はだんだんと別の道を探し、それぞれのタイプによってわき道に逸れて行く。
そのタイプは、大きく3つに分類される。

ダブラー: ミーハー型で、心があちこち移ろいやすいタイプ。初めは急に上達をし、すぐに有頂天になる。
その上達が一息ついて、プラトーに直面すると、その原因が分からなければ我慢できなくなって、熱心さは急速に失われる。このときダブラーの心は、なんとかして自分を正当化したいという気持ちでいっぱいになり、
最初に味わったものをもう一度繰り返したくなり別のものを始めてしまう。

オブセッシブ: せっかち型で、考え方が偏狭でゆとりのないタイプ。現実主義で、重要なのは結果であり、ゴールへ至る方法など問題にせず、成果をすばやく手に入れることに専念する。オブセッシブは、最初から
凄い勢いで上達する。だがやはり後退期が来て、自分がプラト-にあることが分かると、それを受け入れるのが耐えられず、いっきに転落が始まる。

ハッカー: のらりくらり型。意気地がなく熱心さに欠けるタイプ。 ちょっとでも上達のコツを飲み込むと、
プラトーに長く留まっても苦にならない。

~マスタリーの旅を邪魔する現代社会の弊害~

現代人の生活スタイルが、達人の旅の障壁となっているとも言える。従来、価値基準というものは、親族・家族・部族などの考え方や伝統的な学校教育などによって決まっていた。しかし、現代社会では、消費者を飽くことを知らない消費に掻き立てることを当たり前とする経済システムが中心となっている。
コマーシャルなどを見ていると、すべてに共通したパターンがあることが分かる。それは、コマーシャルの半分は、その題材に関係なく、ある種「クライマックス」に基づいている。テレビの番組では空想物語が、何の努力もなく簡単に実現する。そこでは、毎日が特別な日であり、空想が次々と実現し、クライマックスがいやというほど続く。そこに、「プラトー」は存在しない。結果、人生とは何よりもまずクライマックスの連続でなければならないという考えをしてしまう傾向に陥る。

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