【 21世紀の国富論 】①

2007.10.01

ライフ・ソーシャル

【 21世紀の国富論 】①

泉本 行志
株式会社アウトブレイン 代表取締役

もう一度読み返したい本: 【 21世紀の国富論 】①(著)原丈二 氏

【根本的に必要なのは、新しい産業。雇用を生み出し、人間生活を豊かにするための新しい産業】

シリコンバレーで数々の企業を成功させてきたベンチャーキャピタリスト、原丈人氏の初著作です。
これまで主流であったアメリカ流資本システムへの苦言と、今後の新しい市場、産業、会社のあり方を
明快に解説している本です。

概要:

■ 2000年秋のアメリカで起きたネットバブルの崩壊は記憶に新しいが、当時、株式市場の大部分は日々の
投機で動いており、株主の多くは短期的に株価を吊り上げて高値で売り抜け、株式売却益を最大化すること
だけを目的にしていた。

■ アメリカ流のコーポレート・ガバナンスの要は「企業は株主のもの」という考え方にあり、この考え方をつきつめていくと、企業の目的は株主にとっての価値を上げること、すなわち「株価を上げること」になる。
結果、短期的に時価総額を上げるのが優れた経営とみなされる風潮が極限まで強くなり、エンロンなどの不正会計不祥事が起こった。

■ このアメリカが中心を担っている資本主義のシステムは、仕組みそのものが疲弊し破綻しかけていることに、もっと多くの人が気づくべきだ。

■ ネットバブルの崩壊後、アメリカの大企業を中心に、リストラによる人員削減や資産圧縮によるROEの向上から株価は確かに向上しているが、それは見せかけのものにすぎない。

■ 日本も、中国経済の成長による特需などで業績を伸ばしている企業はあるが、やはり多くの企業が人員削減など「縮小均衡」における利益の創出を演出しているだけである。

■ これから、根本的に必要なのは、雇用を生み出し、人間生活を豊かにするための新しい産業である。

■ それには、現在のコンピューターの延長線上にある技術改良では不十分で、根本的に異なる発想を
基盤とする革新的な技術が必要。

■ そのような技術を生み出すため、会社の仕組み、それを支える資本の仕組みの変革が必要である。

~新しい資本主義のルール~

■ 研究開発には、どうしても中長期のコミットメントが不可欠である。そのために資金は、ハイリスクな研究開発の性質を考えると、金融機関からの借入は性質上合わない。また、中長期的な投資を説得する時間を考えると株主割当増資による調達も難しい。やはり、一番適切な資金源は、毎年蓄えてきた内部留保である。

■ 最近のベンチャーキャピタルは、事業計画段階では資金を出さず、製品を完成させた段階でないとダメと
いう、ただの金融業に成り果てている。これは、本来のリスクを見極めてそれを引き受けるというスタンスでなく、リスクを分散するという姿勢によるものである。このようなリスクをとらないベンチャーキャピタルは、「ベンチャーキャピタル」の名前を返上すべきだ。

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