星野ジャパンには、何が足りなかったのか?

2008.08.24

ライフ・ソーシャル

星野ジャパンには、何が足りなかったのか?

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

五輪の星野ジャパンと WBCの王ジャパンは、何が違ったのか。 五輪惨敗への中傷が多い中、 少し冷静に敗因の本質に迫ってみたいっ。

先ずは、
選手には、お疲れ様っ。
監督さんやスタッフの皆様にも、労いの言葉はかけたいっ。
しかしながら・・・
星野ジャパンの五輪は・・・まことに残念であるっ。
結果的に、キューバ、韓国、アメリカの上位国に一度も勝ってないのだから、
惨敗といわざるをえないっ。

コーチ陣の人選は、どうなのよ。
選手達の士気が上がってない。
選手達のコンディションが悪すぎる。
ソフト女子に比べふがいない。
いろんなところで、いろいろと突っ込まれている星野ジャパン。
ここでは、感情的になるより、少し冷静に、その敗因を考えてみたい。
その根本的なところに触れてみたい。

・・・で、
冷静になって突っ込みたいのは、星野監督の、この敗戦コメントっ。
「野球そのもが不思議でしょうがない。最初のゲーム(キューバ戦)で恐々しているというか、(ストライク)ゾーンがまったく他の世界でやっているというのか、それでおかしくなった」
「何かが足りなかったからこういう結果になったんだろうが、それをひとつひとつ分析しても、せん無いこと。すべておれの責任。」

絶対に、何かが足りなかったのだっ。
それを分析しなかったら、次がないっ。
不思議でしょうがないじゃ、しょーがないっ。

このコメントだけを取り上げて言わせて貰うと、
星野監督のやったことは、
「選手達の戦力」を信じたこと以外になかったのかなぁ・・・
「チームの形」にこだわった「闘将」の寂しい限界を感じてしまう。

キューバや韓国との予選の結果を見たら、
力負けであったことは明解である。
「選手達ひとりひとりの力とコンディション×気力」=「戦力」で、
勝てないことはわかったはずだ。

なのに、もう負けることができない準決勝以降も、
「戦力」を信じた采配を繰り返したっ。
「戦力」を信じすぎて、
監督とコーチ陣が、「戦略」及び「戦術」を疎かにした・・・
「戦力」を信じて、「チームの形」にこだわり過ぎた・・・
それが、この五輪惨敗の原因だっ。

星野監督は、準決勝の韓国との戦い後に、こんなコメントも残している。
「(決勝進出を逃し)もうこうなったら韓国が強いんだよ。
(8回は)岩瀬しかいない。(7回に)藤川を使ったんだから。
(7回以降は)うちのパターンでいった。(まだ3位決定戦があるが)何とか勝たないといけない。
向こうも必死だった。いい投球をして、しぶとく野球をきっちりやっていた。
すべてはおれの責任として片付けないといけない。そういう大会だから。」

このタイミングで、監督自身が、韓国の戦力が上と認めていては、先がないっ。
案の定、アメリカとの3位決定戦も、凡戦にて、完敗っ。
準決勝以降の日本の負けは、全然、不思議ではない。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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