AI時代を読み解くキーワード⑧ AI Orchestration AIを増やすだけでは、会社は動かない――複数のAIを「ひとつの仕事」にまとめる指揮者
「権限」と「責任」を設計する
AIエージェントが仕事をするには、メール、顧客情報、ファイル、予定、発注などへのアクセス権限が必要になります。
しかし、何でもできるAIをつくるのは危険です。
エージェントごとに、
必要最小限の権限
を与えることが基本です。
そしてもう一つ重要なのが責任です。
AIが誤った案内をしても、AIは責任を取れません。
だからこそ、
誰が業務の所有者なのか。
誰が監視するのか。
誰が承認するのか。
問題が起きたら誰が止めるのか。
誰が最終責任を負うのか。
を決めておく必要があります。
AIに仕事を任せることと、責任を手放すことは違います。
企業は何から始めるべきか
いきなり会社全体をAI化する必要はありません。
まず一つの業務を選びます。
営業提案準備、社内問い合わせ、研修企画、月次報告書作成などでよいでしょう。
そして、
①目的を決める
②現在の仕事を分解する
③AIに任せる部分を決める
④人間が判断する部分を決める
⑤必要なデータ・システム・権限を確認する
⑥失敗時の処理を決める
⑦小さく試す
⑧結果を測定して改善する
という順番で進めます。
重要なのは、
AIを入れる前に仕事を整理すること
です。
担当者によって手順が違う。
承認者が曖昧。
例外処理が決まっていない。
必要な情報が散在している。
この状態をAI化すれば、曖昧な仕事を高速化するだけです。
AI Orchestrationは、企業に、
「そもそも、この仕事はどうあるべきなのか」
を問い直させます。
人財育成も「オーケストレーション」になる
これは私の専門である人財育成にも当てはまります。
これからの人財育成は、研修だけでは完結しません。
研修、1on1、メンタリング、コーチング、ジョブアサイン、自己学習、AI支援、上司のフィードバック。
これらを一人ひとりの状態に合わせて組み合わせます。
社員の現在地を把握する。
必要な経験を考える。
仕事を任せる。
必要なら研修を行う。
上司やメンターをつなぐ。
AIが日常的に支援する。
行動変化を確認する。
次の成長機会につなげる。
これも、
人財育成のオーケストレーション
です。
研修を実施することが目的ではありません。
必要な支援を適切なタイミングで組み合わせ、人が現場で育ち続ける状態をつくること。
私が目指してきた「研修がなくても人が育ち続ける状態」ともつながります。
必要なのは「自分で全部やる人」ではない
AI Orchestration時代には、
- 仕事の目的を理解する
- 業務を分解する
- 人とAIの役割を設計する
- 適切なAIを選ぶ
- AIの結果を検証する
- 異常時には止める
- 改善につなげる
能力が重要になります。
AI時代を読み解くキーワード
人材育成コンサルタント、シニアインストラクター
● 人材育成、DX・IT、コンサル、マーケの経験を踏まえて、人材教育の新たなアプローチを探求中 明大法なのに齋藤孝ゼミ🤣 教免3種ホルダー イノベーション融合学会専務理事 教育研究家、モノカキの時は、「富士 翔大郎」と言います。天才トム・ショルツの「BOSTON」と「マニュアル車」「海外ドラマ」をこよなく愛する静岡県民
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