/哲学は、もともと語るものではなく、生き方そのものです。だから、彼らの歴史上の生き方を見れば、彼らの思想もわかりますよ。とくに記録にない女性たちの人生を理解するには、実際の歴史から学ぶことが大切です。/
- 22.01. 万人のリバティという夢:古代
22.02. 特権としての自由:5C BC-2C CE
22.03. ゲルマン民族における平等:3-9C
22.04. 中世封建制:9-16C
22.05. 常備軍と官僚:15-16C
22.06. 絶対君主制:16C-17C
22.08. 投資ブーム:1700年頃
22.09. 綿花革命:18C
22.10. 歩兵連隊:18C
22.11. 閉じ込められた女性たち:16-18C
22.12. フランス革命:1770-93
22.13.ナポレオンの独裁:1794-1815
「今日の哲学は誰の?」
哲学は、変人たちの本の中だけにあるわけではありません。ふつう人々だって、たとえ口に出したり、書き留めたりすることがなくても、それぞれ独自の考えがあり。
「でも、本もないのに、どうしたらそれがわかる?」
哲学は、もともと語るものではなく、生き方そのものです。だから、彼らの歴史上の生き方を見れば、彼らの思想もわかりますよ。とくに記録にない女性たちの人生を理解するには、実際の歴史から学ぶことが大切です。
22.01. 万人のリバティという夢:古代
古代、どこでも「人間」は、自分たちの部族のことだけを意味していました。「リバティ(自由)」も、もともとは「人々」ないし「息子たち」のことでした。かれらにとって、他者は、基本的に外部の敵、あるいは内部の奴隷家畜、せいぜい信用ならざる交易相手にすぎません。しかし、他の部族との交流が増えるにつれ、かれらは、友好的な異邦人にも、自分たちの部族民と同じ「フリーダム(自由)」を与えるようになりました。
「ああ、「リバティ」は仲間で、「フリーダム」は仲間と同じように扱われることか」
古代、現在のイランにあたる地域には、北から移住してきたさまざまなアーリア系諸部族が住んでいました。前六世紀後半、キュロス大王(600-529 BC)がペルシア部族で台頭し、アーリア系諸部族だけでなく中央アジア、バビロニア、レバント、さらには小アジアをも征服し、歴史上最初の大帝国を築き上げました。
「彼は、バビロン捕囚のユダヤ人を解放した皇帝だったね」
それだけではありません。この多民族国家を統一するため、彼はすべての人々にリバティを保障し、自分の「子供たち」として扱いました。彼は、この勅命を円筒印章に刻み、大量に印刷させました。この印刷物は、世界初の人権宣言とされています。ペルシア大帝国は、ギリシャの吸収も試みましたが、それぞれ小さな都市国家に住み、自分たちを唯一の「人間」だと信じていたギリシア人は、ペルシアの寛大なリバティ政策を理解できず、これに抵抗しました。
「それが、前492年から49年にかけてのペルシア戦争だな。それに、その後も、ギリシア人は、小さな都市国家同士で争い続けた」
だから、北方のマケドニアのアレクサンドロス大王(356-23 BC)がギリシアを征服してしまいました。彼は、小アジアだけでなく、レヴァント(地中海東岸)やエジプトへも遠征して、ペルシアを併合し、中央アジアや西インドまでも統一しました。彼はキュロス大王から多くを学び、広大な帝国の民衆の間に調和と平等をもたらそうと努めました。しかし、彼は若くして亡くなり、部族は再び散り散りになって、たがいに争うようになってしまった。
「キュロスやアレクサンドロスが夢見た「万人のリバティ」という理想を理解する者はほとんどいなかったんだろう」
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大阪芸術大学 哲学教授
美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。
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