第4回マインドはどこまで鍛えられるのか

マインドはどこまで鍛えられるのか ― 表層と無意識、人材開発の限界 ―

マインドはどこまで鍛えられるのか

― 表層と無意識、人材開発の限界 ―


これまでの回で、
• 評価
• スキル(知識 × 経験)
• 行動

を分けて整理してきた。

すると、必ず残る問いがある。

「結局、マインドが一番大事なんじゃないのか?」

今回は、この問いに正面から向き合いたい。



マインド万能論が生む混乱

ビジネスの現場では、
マインドという言葉があまりにも便利に使われている。
• マインドが足りない
• 意識が低い
• 覚悟が決まっていない

こうした言葉は、
説明した気になれるが、
何も構造を明らかにしない。

むしろ問題を個人に押し戻してしまう。



マインドは一枚岩ではない

まず重要なのは、
マインドを一つのものとして扱わないことだ。

整理すると、少なくとも二層ある。

① 表層マインド(意識できる部分)
• 前向き/後ろ向き
• やる気がある/ない
• 目標をどう捉えているか

これは自覚でき、
比較的言語化しやすい。

研修やコーチングが届くのは、
基本的にここまでだ。



② 深層マインド(無意識の前提)
• 失敗したら終わりだという感覚
• 評価を失うことへの恐れ
• 自分はここまで、という無意識の天井

本人ですら、
気づいていないことが多い。

そして重要なのは、

行動を止めているのは、
ほとんどの場合、この無意識側

だということだ。



なぜ「マインドを鍛えろ」は効かないのか

表層マインドに向けて、
• ポジティブに考えよう
• もっと主体的に

と言っても、
行動が変わらないことが多い。

それは、

無意識の前提が変わっていないから

だ。

深層マインドは、
説得や気合ではほとんど動かない。



人材開発で鍛えられるのは、どこか

ここで、現実的な結論を出す。

人材開発で直接鍛えられるのは、
• 知識
• 行動の型
• 表層マインド(認識・言語)

ここまでだ。

一方で、
• 無意識の前提
• 認知特性
• 興味の向き

これらは、
直接鍛えることはほぼできない。



それでもマインドは変わることがある

では、無意識は一切変わらないのか。

そうではない。

ただし、変わり方が違う。

無意識が動くのは、
• 環境が変わったとき
• 役割が変わったとき
• 人間関係が変わったとき
• 成功や失敗を繰り返し体験したとき

つまり、

教育ではなく、経験と環境によって
後から書き換えられる



マインドを能力に入れてはいけない理由

ここで、はっきりさせておきたい。

マインドは能力ではない

マインドは、
• 行動を生み
• 行動が経験を生み
• 経験がスキルを生み

という上流の条件。

能力の構成要素に入れてしまうと、
• 説明できなくなる
• 評価できなくなる
• 鍛えられる範囲が分からなくなる

結果として、
「結局マインドだよね」という
雑な結論に戻ってしまう。



マインドをどう扱うべきか

整理すると、位置づけはこうだ。

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富士 翔大郎

シニアインストラクター

● 人材育成、DX・IT、コンサル、マーケの経験を踏まえて、人材教育の新たなアプローチを探求中 明大法なのに齋藤孝ゼミ🤣 教免3種ホルダー イノベーション融合学会専務理事 教育研究家、モノカキの時は、「富士 翔大郎」と言います。天才トム・ショルツの「BOSTON」と「マニュアル車」「海外ドラマ」をこよなく愛する静岡県民

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