/ワグナーは、ただの音楽家ではなかった。ユダヤ人連中が金と新聞を使って音楽や小説の人気を巧みに操っている、と思い込んで、アナーキズムに走り、暴動を起し、逃亡した。そして、その反ユダヤ主義から、ドイツのキリスト教はアーリア仏教から発展した、と信じていた。/
「つまり、これは英雄的なアナキストたちは敗北するかもしれないが、帝国は崩壊し、権力は人民に戻るということ?」
『ニーベルングの指環』初演で著名人に囲まれたワーグナーのスノビズムは、ニーチェに失望をもたらすばかりでした。ニーチェは当初からワーグナーを誤解していました。ショーペンハウアーの影響を受け、反ユダヤ主義に突き動かされたワーグナーは、ドイツのキリスト教はアーリア仏教から発展した、という奇妙な宗教観を抱いていました。『指環』以前から、彼はキリスト教の祝祭劇『パルツィヴァル』を構想し、その作曲に着手していきます。
純丘曜彰(すみおかてるあき)大阪芸術大学教授(哲学)/美術博士(東京藝術大学)、東京大学卒(インター&文学部哲学科)、元ドイツマインツ大学客員教授(メディア学)、元東海大学総合経営学部准教授、元テレビ朝日報道局ブレーン。
哲学
2024.12.09
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2025.09.05
大阪芸術大学 哲学教授
美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。
