たそがれとかわたれ:食い物中毒の向こう側

2022.11.24

ライフ・ソーシャル

たそがれとかわたれ:食い物中毒の向こう側

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/食えば、幸せ。よけいなことは考えずにいられる。食い物は、もっとも手軽で、合法的な現代の「麻薬」だ。だが、しばし食い物のことは忘れて、遠くを眺めて、思いを巡らしてみてはどうなのだろう。夕暮れ時、日の出前、日本の景色は美しい。店に飛び込み、朝食に食らいつく前、ちょっとこらえて外に出て空を見上げてごらん。忘れてしまっていた現実の自分がそこに立っているから。/

自己忘却。現実逃避。政治も、テレビも、ネットも、ようするに、どうもそういう今の世間の人たちが苦手だ。やたら血圧高く、流行の話題を振りかざして興奮するが、世の中、そうかんたんなものか。それ、食い物のせいじゃないのだろうか。

現実も、自分も、近すぎると見えない。目先、良かれと思ったことが、足元をすくう。しばし食い物のことは忘れて、遠くを眺めて、思いを巡らしてみてはどうなのだろう。人々が食い物に目の色を変えている時間、夕暮れ時、日の出前、日本の景色は美しい。店に飛び込み、朝食に食らいつく前、ちょっとこらえて外に出て空を見上げてごらん。ひごろ食い物に食われてしまって、忘れてしまっていた現実の自分がそこに立っているから。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

フォロー フォローして純丘曜彰 教授博士の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。