2026.04.03
8️⃣【連載】時代でビジネスはどう変わったのか?⑧寿退社はなぜ当たり前だったのか —— ビジネスは家族観をどう変えたか
富士 翔大郎
人材育成コンサルタント、シニアインストラクター
昭和の企業では、女性社員が結婚するとこう言われた。 「おめでとう。これで安心だね。」 そして自然に退職する。 これが“寿退社”。 今の若い世代にとっては、 ほぼ異世界の話だ。 だが、当時は合理的だった。
【連載】時代でビジネスはどう変わったのか?
8️⃣ 寿退社はなぜ当たり前だったのか —— ビジネスは家族観をどう変えたか
昭和の企業では、女性社員が結婚するとこう言われた。
「おめでとう。これで安心だね。」
そして自然に退職する。
これが“寿退社”。
今の若い世代にとっては、
ほぼ異世界の話だ。
だが、当時は合理的だった。
■ 昭和:専業主婦モデルが経済合理的だった
高度経済成長期。
男性の正社員賃金は上昇。
終身雇用。
年功序列。
企業年金。
一家の大黒柱が安定収入を得る。
この前提では、専業主婦モデルは成立する。
🔥昭和ジェンダー・トリビア
・総合職はほぼ男性
・一般職女性は補助業務中心
・結婚退職が一般的
・育休制度は制度化されていても浸透せず
・保育所不足は社会問題化前
・企業は長時間労働前提
・家事育児は女性役割という社会通念
・男性育休はほぼ存在しない
重要なのはここだ。
企業の働き方が、専業主婦モデルを前提に設計されていた。
長時間労働。
転勤。
単身赴任。
家庭内の“もう一人”がいなければ回らない。
つまり寿退社は、
文化というより構造だった。
■ 平成:女性が働き続ける時代へ
1990年代以降、変化が起きる。
共働き世帯が専業主婦世帯を上回る。
企業はコスト削減。
賃金は伸び悩む。
一家一馬力では不安。
💥平成ジェンダー・トリビア
・男女雇用機会均等法の浸透
・総合職女性増加
・育児休業制度整備
・待機児童問題顕在化
・共働き世帯数増加
・女性管理職はまだ少数
・出産後のキャリア断絶問題
寿退社は“当たり前”ではなくなる。
だが両立は簡単ではない。
会社の制度は整備されるが、
文化はすぐに変わらない。
平成は“移行期”。
■ 令和:キャリアは中断しない前提へ
令和では前提が変わる。
共働きは標準。
女性管理職比率は徐々に上昇。
男性育休取得も増加傾向。
🚀令和ジェンダー・トリビア
・共働き世帯が多数派
・女性管理職比率上昇傾向
・男性育休取得率増加
・リモートワーク普及
・D&I(多様性推進)戦略化
・出産後復職が一般化
・社内に保育支援制度を持つ企業増加
「結婚=退職」は前提ではない。
むしろ、
結婚後も働き続けるのが標準。
■ なぜ寿退社は消えたのか?
理由は三つ。
1. 経済的理由(賃金停滞)
2. 労働力不足(人口減少)
3. 価値観の変化
昭和は一馬力で足りた。
令和は二馬力が前提。
企業も、女性を戦力として維持しなければ成り立たない。
つまり、
ビジネス構造が家族モデルを変えた。
■ 世代が衝撃を受ける瞬間
昭和世代が驚く令和
・結婚しても退職しない
・男性が育休取得
・夫婦で家事分担
・管理職女性増加
令和世代が驚く昭和
・寿退社が祝福
・女性は補助職中心
・転勤前提人生
・仕事優先の家庭構造
平成世代の本音
「制度と現実のギャップに悩んだ」
■ 本質的な変化
寿退社が消えたのは、
文化が変わったからではない。
経済構造が変わったからだ。
成長社会では一馬力で足りた。
停滞社会では二馬力が合理的。
ビジネスは家庭を変える。
会社が人生だった時代は、
家庭も会社仕様だった。
あなたの働き方は、
どの時代の家族モデルで設計されているだろうか。
次回は、
9️⃣ 100年企業神話は続くのか。
企業寿命と安定幻想を数字で解剖する。
【連載】時代でビジネスはどう変わったのか?
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人材育成コンサルタント、シニアインストラクター
● 人材育成、DX・IT、コンサル、マーケの経験を踏まえて、人材教育の新たなアプローチを探求中 明大法なのに齋藤孝ゼミ🤣 教免3種ホルダー イノベーション融合学会専務理事 教育研究家、モノカキの時は、「富士 翔大郎」と言います。天才トム・ショルツの「BOSTON」と「マニュアル車」「海外ドラマ」をこよなく愛する静岡県民
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