金融所得課税率を上げるなら配当だけを対象にすべし

2022.10.26

経営・マネジメント

金融所得課税率を上げるなら配当だけを対象にすべし

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

「1億円の壁」に対する不公平感をベースに、再び金融所得への課税強化の議論が高まっている。まずは人気取りのためのバラマキを止めることが何より先決であるが、財政再建のために本当に必要なら聖域扱いすべきでもない。とはいえ、キャピタルゲインへの課税はアンフェアかつ政府方針に反する上に、何より市場を壊す可能性が高いが故に避けるべき。決して褒められるものではないが、現実的な策として残るのは配当への課税強化だけだ。

その二重課税の税率をさらに強化するというのは本来あってはならないことだ。もしそこまで手を着けなければいけないのであれば、政治家と官僚はまずは財政の無駄遣いを徹底的に排した上で、それでもなお足らない部分については国民から一時的に拝借するくらいの気構えで財政再建に血道を上げていただきたい。それくらい税金というのは重いものだ。

「自分の財布じゃないから、有権者受けを考えて気前よく使ってしまえ」というさもしいバラマキ根性はいい加減、止めて欲しい。


日沖 博道(ひおき ひろみち):パスファインダーズ株式会社 代表取締役、経営戦略研究会「羅針盤倶楽部」コーディネーター&アドバイザー。

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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

「世界的戦略ファームのノウハウ」×「事業会社での事業開発実務」×「身銭での投資・起業経験」。 足掛け38年にわたりプライム上場企業を中心に300近いプロジェクトを主導。                     ✅パスファインダーズ社は大企業・中堅企業向けの事業開発・事業戦略策定にフォーカスした戦略コンサルティング会社。AIとデータサイエンス技術によるDX化を支援する「ADXサービス」を展開中。https://www.pathfinders.co.jp/                 ✅第二創業期の中小企業向けの経営戦略研究会『羅針盤倶楽部』を主宰。https://www.facebook.com/rashimbanclub/

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