自己啓発の4名著をざっと要約

2021.04.05

ライフ・ソーシャル

自己啓発の4名著をざっと要約

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/セルフヘルプ(自助)やセルフメイド(自成)は、世襲と因習でがんじがらめだった前近代の身分制を打破する突破口になりました。古典で定評ある自己啓発書を手がかりに、あなたにも今よりもっと幸せになる黄金のチャンスが与えられていることを、ぜひ思い出してください。/

第一部 パラダイムと原則
 20世紀の自己啓発書は、うまく世界に受け入れてもらうための小手先の人気手法(Personality Ethic)だらけ。しかし、世界の方を変えるには、世界に対する自分自身の態度を主軸とする人格手法(Character Ethic)へのパラダイム転換が必要だ。

第二部 私的成功
「第1の習慣 主体的である」
「第2の習慣 終わりを思い描くことから始める」
「第3の習慣 最優先事項を優先する」
 条件が与えられるにしても、それにどう応じるかには、自分に選択の余地がある。最終的に自分はどうしたいのかから逆算し、重要度と緊急度を考え、どうでもいいことを棄て去ることで、優先事項に力を注ぎ込む。

第三部 公的成功
「第4の習慣 Win-Winを考える」
「第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される」
「第6の習慣 シナジーを創り出す」
 人生は、競争の戦場ではなく、協力のチャンス。まず自分が全員のWinを考え、共感による傾聴で周囲を理解し、単純な総和以上のシナジーが生まれるようなシステムを構築する。

第四部 再新再生
「第7の習慣 刃を研ぐ」
 パラダイム転換に終わりはない。つねに更新が必要だ。自分という人間を成している四つの側面、肉体、精神、知性、社会・情緒のそれぞれを、たゆまず磨き上げていかなければならない。


4。ジョーダン・ピーターソン『生き抜くための12のルール』2018

 日本版の副題は「人生というカオスのための解毒剤」です。近年、奇をてらった自己啓発の極論が溢れかえり、もう矛盾だらけ。それで、多くの人が自己啓発疲れ。それに対し、この本はむしろその解毒剤として書かれています。それにしても、この本は、逸話や蘊蓄が多く、何を言いたいのか、とてもわかりにくい。強いて言えば、こうすればいい、などという方法は無い、そもそも人生に勝利だ、成功だ、幸福だ、などという目標は無い、人生はただ混沌だ、と開き直っている。だから、ある意味で、冷たく、現実的で、超保守的。しかし、勝利だ、成功だ、幸福だ、と、ありもしない目標を追い求める迷いを棄て、この混沌の中で単純素朴に生きる道へと読者を引き戻してくれます。

[Rule 01] 背筋を伸ばして、胸を張れ
[Rule 02] 「助けるべき他者」として自分自身を扱う
 負けたと思うのは自分。それでうなだれていると、よけい負けが襲いかかるのが、世の中というもの。自分のことこそ、自分でもっと助けてやるべき。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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