高校卒業時には英語ペラペラ!? 広尾学園理事長・池田富一氏に聞く 次世代を育成する学校経営

2018.03.13

経営・マネジメント

高校卒業時には英語ペラペラ!? 広尾学園理事長・池田富一氏に聞く 次世代を育成する学校経営

LEADERS online
南青山リーダーズ株式会社

都内有数の進学校である、広尾学園中学校・高等学校。東京大学や京都大学などの名門大学への進学のほか、スタンフォード大学など海外の大学に進学して国際舞台での活躍を目指す生徒が多いことで評判の学校だ。将来を担う人材を育てるために必要な学校経営とは、どのようなものなのか。2017年に理事長に就任した池田富一氏に、その詳細を聞いてみた。 (聞き手・仙石実・公認会計士、税理士/構成・Tokyo Edit 大住奈保子)

このようなコース編成に至ったきっかけは、一般企業に勤務していた頃の経験でした。私はマーケティング業務の一環としてアジア各国のマーケティング担当者と会議をする機会が多かったのですが、彼らの英語は驚くほど流暢だったんです。
聞くと「中学校と高校、そして大学と合計10年間も英語を勉強していたからね」と言うのですが、それは我々も同じ。だとしたら、やはり教育のほうに問題があるということになりますよね。単に文法や単語を理解させるだけでなく、彼らのような「話せる英語」が身につく教育を体現したいという思いが、現在のコース編成の基礎となりました。

広尾学園の生徒が「話せる英語」を身につけられるのは、環境のおかげもあると思います。広尾学園では、本当に0から英語の勉強をはじめるという生徒と、帰国子女で英語がペラペラだという生徒が、同じ教室で勉強するんです。そうすると、自然と生徒同士で英語を教えあうようになり、教室内が英語環境となって学習効率が高まるのだと思います。

また、自分と同い年の友達が英語をスラスラと話していることで「あの子にできるなら、私にもできるはず」とやる気もわいてくる。お手本となる身近な存在がすぐ側にいるということは、生徒たちの将来にとって非常にいいことです。実際にインターナショナルコースの生徒たちは、教員が驚くほどのスピードで英語を習得していきますね。

(仙石)グローバル化が進む現在、それはとても魅力的な教育ですね。医進・サイエンスコースについてはいかがでしょうか。

(池田)医進・サイエンスコースは2011年に新設したコースで、通常の授業のほかにグループ単位での本格的な研究活動を行うなど、ただ「学ぶ」というのではなく「興味を持って本質を学んでもらう」ということに重点を置いています。

広尾学園は教育の中で「本物に触れる」ということを大切にしているのですが、医進・サイエンスコースはそれが最も顕著にあらわれるコースです。大学病院で手術を見学したり、医学部の学生と一緒に地方に行って地域医療の現実に触れたり、ときには海外の大学で研究発表をしたりもします。こうした経験によって、医師や研究者という職業への理解がより深まると考えています。

生徒たちは、興味をもった研究テーマについての書籍や論文を積極的に読みます。論文は英語で書かれているものが圧倒的なので、そこから英語への関心が高まっていきます。「本物に触れる」ことで、学びがどんどん広がっていくのです。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

LEADERS online

LEADERS online

南青山リーダーズ株式会社

専門家による経営者のための情報サイト

フォロー フォローしてLEADERS onlineの新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。