都内有数の進学校である、広尾学園中学校・高等学校。東京大学や京都大学などの名門大学への進学のほか、スタンフォード大学など海外の大学に進学して国際舞台での活躍を目指す生徒が多いことで評判の学校だ。将来を担う人材を育てるために必要な学校経営とは、どのようなものなのか。2017年に理事長に就任した池田富一氏に、その詳細を聞いてみた。 (聞き手・仙石実・公認会計士、税理士/構成・Tokyo Edit 大住奈保子)
教育業界にはこれからもっとさまざまな人材が必要になってくると思います。大学を出てからずっと教員を続けている人だけでなく、一般企業での勤務経験がある人材も必要です。生徒たちの保護者の方々のほとんどは、一般企業にお勤めです。そういう方々がどういう気持ちで子どもを学校に預けているのかを身をもって理解できるというのは、教員にとってとても大切なことだと思うんです。
広尾学園にはこうした一般企業勤務経験者の教員も多く在籍していますし、外国人の教員も21名在籍しています。このようなバラエティに富んだ教員構成は広尾学園ならではのものだと思っています。
(仙石)貴重なお話の数々、ありがとうございます。最後に広尾学園が今後目指す姿について、お教えいただけますでしょうか。
(池田)もちろん生徒たちを希望の大学に進学させるということも大切ですが、それはゴールではありません。彼らには広尾学園で学んだことを大学でさらに究めて、社会に貢献する人材になってほしいと思っています。広尾学園がそのベースをつくる役割を担えれば、これよりうれしいことはありません。
そのために何事にも果敢にチャレンジし、今までの私立学校からさらに一歩進んだ存在になりたいと思っています。変わることを恐れずに、常に進化し続けていく。読者の皆様もこのような気持ちを持ちながら、さらに経営に邁進していただきたいと思います。
<PROFILE>
学校法人 順心広尾学園
広尾学園中学校・高等学校 理事長
池田 富一(いけだ・とみかず)
一般企業でマーケティング業務を経験した後、経営企画として広尾学園の運営に参加、副学園長を経て2017年から理事長に。実地で使える語学力の形成と「本物に触れる」機会を重視し、国際舞台で活躍できる人材を育てる教育に力を入れている。
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
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