「中身で判断してほしい」という就活中のワカモノへ

2017.03.21

組織・人材

「中身で判断してほしい」という就活中のワカモノへ

増沢 隆太
株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

就活まっさかり。私も就活講演で毎週末あちこち呼ばれて助かってます。一方、就活と言えばマナー講座などもまたあちこちで開かれています。実は来年度はこの私もマナー講座に初登壇という恐ろしい企画が進んでいます。エッ?!マナーどころか人として常識欠如、社会人失格、さんざん罵詈雑言を浴びてきた私に?大丈夫?

1.イケてない学生生活
自分でイケてない系の見た目、オタクっぽいと思ってる人。君らの親と同世代の私ですが、もっとイケてなかった点に自信満々です。若き頃、あるヨーロッパ系銀行丸の内支店に外為で振込するため白ランニングシャツと短パンで入店した経験もあります。よくつまみ出されなかった、いやアブなすぎてそっとしておいてくれただけかもですが。

自分がそうだったから今も皆そうなのかはわかりませんが、当時私はこう思っていました。「見た目のチャラいやつより自分の方が中身がある」「その中身を見られない・評価できない方に問題がある」と。

私がその後サラリーマンになり、社会人として30年以上過ごして、ちょっとだけ進化したなと思うのは見た目です。ファッションへの興味もセンスも絶無だった私に、社会は優しかったのです。特に男性には「スーツ」という唯一無二の正解がありました。これさえ着ていれば廃棄物を見るような目で見られたり、マンガのように背中をつままれて外に放り出されることはないのです。すっごく便利です、社会人って。

「スーツを着たおとなになりたくない」的な歌詞は昔から捨てるほどありますが、逆だよ逆。若者が全員ファッションセンスがあって、見た目整ってると思うなよとずっと耐えてきました。スーツある方がはるかに楽だから。


2.外見より中身で判断してほしい
という声を聞きます、特に男子学生。だいたい見た目にも優位性のなさそうな子が多いように思います。実は同じことを言っている、中年世代の男性もいるのです。

中年になり、家庭も持った社会人経験もそれなりに積んだ男性なのに、「カノジョ欲しい」とか思ってる不届きなヤカラもいるらしいのです。友人たちの名誉のために、私の周囲の直接の知り合いには一人たりともいないのですが、どうやらそんなこと思ったり言ったりしてるオッサンはけっこういると、複数ジョシから聞いております。

そんな不届き者の中には若いイケメンさんに見た目で対抗できず、「素の自分を見てほしい」などと言ってくる者もいるとか。見た目でもお金でもなく、ハートで勝負というのはどうなんでしょう。自分が若いおねいちゃんと付き合いたいのは、多分にその見た目に惹かれているからなのに、自分は見た目ではない所で評価してほしいとは虫が良すぎます。こうして「素のままの自分」で勝負してもなかなか思いは叶わず、社会も家庭も平和という結末になります。めでたしめでたし。


3.「素のままで評価」されることは無い
相手には外見の良さを求めるのに、自分のことは「中身を見て」では矛盾しています。自分の外見に優位性がないのなら、その分を補正するお金だったり権力だったり、何らかのメリットで説得する必要があります。

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増沢 隆太

株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。

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