面接で危ないのは「イケる」と感じた時と「落ちた」と感じた時

2017.06.20

組織・人材

面接で危ないのは「イケる」と感じた時と「落ちた」と感じた時

増沢 隆太
株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

就活大学生は面接まっさかり。内定(内々定)を得た学生が意気揚々と報告に来てくれる反面、現時点で内定ゼロ、無い内定状態、持ち駒ゼロという学生の相談もあります。面接は何といっても就活のクライマックス。ESやWebテストと違い、面接を通過できずに採用されることは絶対にありません。

1.「イケる」と思った時の危うさ
何だか今日の面接は調子が良く、言葉もスパスパ出てくる。面接官の質問もほぼ想定通りで、答えはバッチリ、よどみないもの。イケそうな感じがビンビンする時・・・・・・ヤバいです、それ。「イケる」と感じたのに、なぜその面接はうまく行かないのでしょう?

今年度早くも大学のキャリア講座に呼ばれるのは3校目になりました。これから就活をしようという学部3年や修士1年向けキャリア講座の皮切りとして、外部講師の私が話すことはことごとく一般的就活常識と違うと言われることが多いのですが、面接についても同様な感想をもらいます。

先週行った大学ではキャリア講座を通年開催させてもらって2年目になりますが、M1対象の講座に、すでに就活真っ最中のM2やB4学生も大挙来てくれたのでした。やや遅くはありますが、活動を見直す良いタイミングではありました。これまでのやり方が違っていたと認識してもらえればうれしい限り。例えば・・・・

面接はスピーチ大会ではない、面接は話の上手さを競う場ではない、面接用のネタ合戦に参加するなといった、話は初めて聞くという学生がほとんどです。要するに何のために面接を行うのかという採用の仕組みから説明することで、くだらないネタ合戦や「盛り」合戦の愚を避け、また派手派手しいリア充アピールなどしなくとも、企業が欲しいと思われる真のアピールを考えさせるのが私の授業です。

間違った面接のあり方を信じていると、その準備を含め、どんどんおもしろネタやリア充ネタをいかに滔々と話せるかという間違った練習になります。「イケる」と思った時というのは、正にこうした面接で求められることと違う、学生の準備通りの流れになった時が多いのです。それはイケてるのではなく、単に準備がそのまま想定通り進んでいるだけ。あくまで戦略コミュニケーションの立場からすれば目的達成には全く近づいていないことになります。

2.「落ちた」と思った時の誤解
逆にこれはダメだ、全然アピールできてないと思った時の面接はどうでしょう。緊張の余り一言も話せないでは、さすがに評価は得られません。ただ緊張しがちな人が、アレもコレも盛りエピソードを語ろうとする対策自体が自殺行為で、ただでさえあがり症の人が自らアウェイな環境に自分を追い込んでいるだけです。

「言おうと思っていたことが言えない」のは、内容次第です。多くのくだらない自分本位な自己アピールやリア充自慢は、学生にとっては魅力的に感じられても採用する側にはさっぱり関心をもたれないということがごくごく普通にあり得ます。

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増沢 隆太

株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。

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