4️⃣ 『残念なDXから抜け出す方法―(Super DX+)という到達点』第4回

2026.02.12

IT・WEB

4️⃣ 『残念なDXから抜け出す方法―(Super DX+)という到達点』第4回

富士 翔大郎
人材育成コンサルタント、シニアインストラクター

DXはどこで止まっているのか ― DX1.0〜5.0で見える「現在地」と「限界」 DXに取り組んでいる企業の多くが、 「手は打っているが、変わった実感がない」 という違和感を抱えている。 それは不思議なことではない。 なぜなら、日本企業のDXの多くは、途中の段階で止まっているからだ。

DXはどこで止まっているのか


― DX1.0〜5.0で見える「現在地」と「限界」

DXに取り組んでいる企業の多くが、
「手は打っているが、変わった実感がない」
という違和感を抱えている。

それは不思議なことではない。
なぜなら、日本企業のDXの多くは、途中の段階で止まっているからだ。

今回は、DXを「1.0〜5.0」という成熟モデルで整理し、
自社の現在地と限界を可視化してみたい。

DX1.0:業務改善としてのDX


DX1.0は、最も身近で、最も誤解されやすい段階だ。
• 紙を減らす
• 手作業を効率化する
• Excelをシステム化する

これらは立派な改善だが、
変革ではない。

DX1.0は、
「今の業務を前提に、よりうまく回す」
ことが目的であり、価値の構造は変わらない。

多くの企業は、DXに取り組んでいる“つもり”で、
この段階に留まっている。

DX2.0:IT化・デジタル化の段階


DX2.0では、
クラウド、SaaS、データ基盤などが導入される。
• システムは新しくなる
• データは見えるようになる
• 作業は楽になる

しかし、意思決定や組織の動き方が変わらなければ、
DXは“便利になった”で終わる。

DX2.0は
IT投資としては成功しやすいが、
経営変革としては不十分な段階だ。

DX3.0:自動化・AI活用の段階


ここでAIや自動化が登場する。
• RPA
• AI予測
• 自動応答・自動処理

DX3.0は、
「人がやっていた作業を、機械に任せる」
段階であり、生産性は大きく向上する。

だが注意したいのは、
効率化=変革ではないという点だ。

DX3.0は、
「今のビジネスモデルを、より速く回す」
ことには貢献するが、
価値の前提そのものは変わっていない。

DX4.0:組織・産業構造が変わり始める


DX4.0に入ると、景色が変わる。
• 部門の壁が意味を失う
• データを軸に意思決定が再設計される
• 価値提供の単位が変わる

ここでは、
業務ではなく“仕組み”が変わる。

多くの「DX成功事例」と呼ばれるものは、
実はこのDX4.0に位置している。

ただし、この段階でも
「企業の都合」が中心にある場合、
変革は社内に閉じてしまう。

DX5.0:社会・文化・生活が変わるDX


DX5.0は、
企業変革を超えた段階だ。
• 顧客の行動が変わる
• 生活の選択肢が広がる
• 社会の前提が書き換わる

DXの影響が、
企業の外側にまで波及する。

ここで初めて、DXは
「やったかどうか」ではなく、
「世界がどう変わったか」で語られる。

これが、本書でいう
**DX5.0(Super DX+)**の領域である。



多くの企業は、なぜDX3.0で止まるのか

理由は明確だ。
• ここまではROIを説明しやすい
• 組織の前提を壊さずに済む
• 既存評価制度と整合する

DX4.0、5.0に進むには、
人・組織・価値観に踏み込む覚悟が必要になる。

だから多くのDXは、
“成功したように見えて、止まる”。

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富士 翔大郎

人材育成コンサルタント、シニアインストラクター

● 人材育成、DX・IT、コンサル、マーケの経験を踏まえて、人材教育の新たなアプローチを探求中 明大法なのに齋藤孝ゼミ🤣 教免3種ホルダー イノベーション融合学会専務理事 教育研究家、モノカキの時は、「富士 翔大郎」と言います。天才トム・ショルツの「BOSTON」と「マニュアル車」「海外ドラマ」をこよなく愛する静岡県民

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