オーナーが同居しない空き部屋シェアリングは規制強化せよ

画像: Tanner Sievert

2016.02.24

経営・マネジメント

オーナーが同居しない空き部屋シェアリングは規制強化せよ

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

「シェアリング・エコノミー」の代表例は配車サービスのUberと、空き部屋シェアサービスのAirbnbである。いずれも日本市場に上陸済だが、かなりの注目を集めると共に、ちょっとした論議を呼んできた。Uberについては別の機会に回すとして、本稿で採り上げたいのはAirbnbのほうだ。コミュニティにとってのセキュリティの観点から考えてみよう。

そこで政府が振った「打ち出の小槌」が、Airbnbを念頭に置いた「民泊条例」を東京や大阪などで成立させることだ。つまり従来の旅館業法はそのままに、特定地区(国家戦略特別区域)においてのみ例外扱いを認めるというものである。まずは大阪と東京都・大田区で始まっている。

この内容は色々と報道されているのでここでは細かく触れないが、大まかにいえば、25平方メートル以上の部屋であれば、旅館業としてではなく「簡易宿所営業」として許可を取り、7~10日以上の連泊をさせるならばOKということだ。ただし、そのためには保健所の許可も取らないといけないし、消防法令への適合、つまり消防用設備等を設置すべくかなりの改装も必要となる。さらに宿泊者管理のために宿帳を常備して、宿泊者に記入してもらわなければいけない。

明らかな問題点として、従来Airbnbで貸し出されている物件の多くがこれに該当しそうもなく、かといって大掛かりな改装をやるとも、そして宿帳を備えるとも思えず、中国人オーナーだけでなく日本人オーナーでさえほとんどが無許可で営業を続けるだろう。したがって、マンション住民の被る迷惑問題は解決されないまま続きそうだ。

実はこの「民泊条例」が固まる前の段階では、日本の当局がホテル・旅館業界からの圧力に屈してAirbnbを厳しく規制するのではないか、実質的に違法営業しているホストたちを摘発するのではないかという噂が飛び交っていた。しかしAirbnbのロビー活動に押された(?)米国政府からの圧力と、日本国内の「インバウンド促進派」の人たちの規制緩和の大合唱に、緩めの規制に留まる「民泊条例」が施行されることになったという経緯がある。しかしこれで本当によいのか、小生は素朴な疑問を持っている。

Airbnb利用でも、ホストが同じ屋根の下で生活しているハウスシェアリングもしくはルームシェアリングの方式だったら全く問題はない。万一火事などが起きたとしてもホストがゲストを叩き起こすので、消火器が備えつけられていなくても焼死体となることはまずなかろう。

後で近所の人たちから苦情を言われる鬱陶しさを考えたら、あらかじめゴミ分別やゴミ出しの仕方についてもオーナーであるホストがきちんと教えるだろう。真夜中までバカ騒ぎすることも控えさせるだろう。

しかし同じAirbnb利用でも、ホストが遠く離れた星の下で暮らしているような「まるまる貸し切り」タイプの場合、先に挙げた全ての問題(火事への備え、ゴミ出し問題、夜中の大騒ぎ)が生じる可能性は否定できない。

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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

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