オーナーが同居しない空き部屋シェアリングは規制強化せよ

画像: Tanner Sievert

2016.02.24

経営・マネジメント

オーナーが同居しない空き部屋シェアリングは規制強化せよ

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

「シェアリング・エコノミー」の代表例は配車サービスのUberと、空き部屋シェアサービスのAirbnbである。いずれも日本市場に上陸済だが、かなりの注目を集めると共に、ちょっとした論議を呼んできた。Uberについては別の機会に回すとして、本稿で採り上げたいのはAirbnbのほうだ。コミュニティにとってのセキュリティの観点から考えてみよう。

「シェアリング・エコノミー」が新しい潮流として世界的に注目されている。欲しい人のために新たにモノを仕入れる代わりに、既に所有している人と必要とする人をつなぐことで、もしくは共同で保有することでニーズを満たすというコンセプトの、有望でユニークなビジネスモデルが続々と生まれている。資源の無駄使いを避けてサービスが提供でき、社会的にも望ましいものだ。

ウィキペディアには、「Airbnbとは、宿泊施設/民宿を貸し出す人向けのウェブサイトである。世界192カ国の33,000の都市で80万以上の宿を提供している」とあり、既に世界中に普及している人気サービスであることが分かる。

Airbnbのビジネスモデルは、宿泊スペースを借りたいユーザー(ゲスト)と、宿泊スペース物件を持つユーザー(ホスト)をつなぐeマーケットプレイスである。取引する「商品」は宿泊スペースというわけだ。ゲストもホストもそれぞれあらかじめ登録(無料)しておく必要がある。価格はホストが自由に設定でき、予約料金に応じてAirbnbは手数料を受け取るというのが基本的な収益モデルだ。

Airbnb自体は宿泊スペースの在庫を持つ必要がないため、非常に低リスクだ(本人確認や保険など色々と担保する必要はあるが)。そして元々誰も使わない空き部屋を個人が貸し出すのだから、格安に提供され、若い旅行者を中心に世界中で大ブレークしたのである。

Airbnbは日本市場への進出においても様々な軋轢と批判を生んでいる。「防火・防犯の備えのない施設が貸し出されて危険だ」といったゲストへの心配の声や、「あまりに安いので、旅館や民宿・ペンションの経営が打撃を受ける」という既存業界側からの反発があるのは、他の国と変わらない。旅館業法に実質的に違反する人たちに小遣い稼ぎの手段を提供しているのだから、フェアに言ってもこのビジネスはグレーな性格を帯びている。

しかし日本で一番批判が強いのは、一般マンションの部屋がAirbnbで貸し出され、外国人旅行者がゲストとして利用する場合である。いわく「しょっちゅう違うガイジンたちが出入りして気味が悪い」とか、「隣の部屋でほとんど毎晩パーティをやって騒ぐのでうるさい」「曜日に関係なくゴミ出しがされて、しかも分別や置き場所がデタラメ」などといった苦情が絶えないそうだ。

1つ目の苦情には人種の違いに対する偏見が含まれているようなきらいがあるとはいえ、本来不特定多数が出入りすべきでない住居用マンションの住民からすれば不用心であることは間違いない。また、2つ目と3つ目に関しては迷惑以外の何物でもなく、とんでもない話である。今、都心近くのマンションの住民理事会では不逞のオーナーにAirbnbを利用させないよう防御策を検討するのに大わらわだと聞く。

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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

当社は新規事業の開発・推進・見直しを中心とした戦略コンサルティング・サービスを提供しております。代表である私は、30年にわたる戦略コンサルティングと、実務での新規事業開発の経験を基に、企業の特性と事情に合わせた「実践的アプローチ」、「3倍速のスピード感」、「サイド・バイ・サイドの姿勢」を持って、経営者の思いを実現することを心掛けています。 新規事業やサービスの開発においては、テーマ探索~事業仮説開発~検証~試行といったプロセスに沿って一気通貫でご支援することもできますし、必要に応じて一部だけを抜き出して対応することもできます。 詳しくは弊社HPをご覧ください。ご登録いただければメルマガもお届けします。

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