ノンアルコールビールは「当たり外れ」の面白さ

画像: Matthew Bellemare

2015.08.27

営業・マーケティング

ノンアルコールビールは「当たり外れ」の面白さ

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

久しぶりの「折角なのに惜しい!」シリーズ。今回はノンアルコールビール。数も増えて選べる楽しさも出てきたが、いまだに「何じゃこれ?」という商品も少なくない。あなたは何を基準に選びますか?

それに対し、独立系メーカーの商品や海外メーカーの輸入品は、パッケージはもちろん、味の違いもしっかりと感じられた。個人的には独立系メーカーの商品は好きになれなかったが、海外メーカーの輸入品には美味しく感じられたものがあった。

後者の缶パッケージの説明をよく見ると、「アルコール分0.9%」とかなっており、「これじゃノンアルコールじゃないよ」と思ったが、缶パッケージのどこにも「ノンアルコール」の文字はなく、スーパーが「ノンアルコールビール」のコーナーに並べていたのが、小生の誤解を招いただけだ。

結論から言うと、小生はこの輸入品を追加で、まとめて買い込んだ。どうしてもその後に車を運転するとか、クライアント先に出掛けるとかがなければ、小生の場合、微量のアルコールで仕事が滞ることはないと判断したからだ(強引な理屈?)。

この結論が意味するのは、純粋な意味での「ノンアルコールビール」で満足できる商品には、小生はまだ巡り合えていないということだ。まだ発展途上だと言わざるを得ない。

ここで感じるのは、「ノンアルコールビール」という商品の立ち位置の難しさだ。全くアルコールを加えない製法で、ビールのテイストに限りなく近くて美味しいものという3要素を満足しなければいけない訳だ。それを同時に実現するのは、巨大なR&Dリソースを持つ日本の大メーカーでも、いまだに技術的に難しいようだ。

伝聞ではあるが、今後の開発方向としては幾つかの選択肢があるようだ。あくまで1)ノンアルコールでありながらビールのテイストに限りなく近いものを追求するのか、むしろ2)ビールのテイストに拘らずに「食事と一緒に飲めるノンアルコール飲料」という路線を極めるのか、または3)微量ながらアルコールを含ませることでビールのテイストを実現しようと考えるのか、である。メーカーの方々のさらなる努力に期待したい。

最後にお伝えすると、小生が思いっ切り「マズイ」と思った銘柄が数種類。いずれも「ビールテイストのノンアルコール飲料」としての前に、飲み物としてマズイ!と思った次第だ。家族と一部友人(何と迷惑な!)にも試してもらったが、同意見だった。

しかし不思議なことに、ネット上の評価では満点に近いものが見つかった。コメントを読んでも(遠慮がちに「引いて」いる1~2割を除いて)賛辞が並んでいたりする。仲間内のサクラ行為でなければ(?)、「個人の味覚や好みというのは随分違うもんだなぁ」と感心した次第だ。小生はあの銘柄は決して二度と買わないが…。
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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

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