ノンアルコールビールは「当たり外れ」の面白さ

画像: Matthew Bellemare

2015.08.27

営業・マーケティング

ノンアルコールビールは「当たり外れ」の面白さ

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

久しぶりの「折角なのに惜しい!」シリーズ。今回はノンアルコールビール。数も増えて選べる楽しさも出てきたが、いまだに「何じゃこれ?」という商品も少なくない。あなたは何を基準に選びますか?

この夏の暑さは尋常じゃなかった。仕事が終わって旨いビールを飲めることへの感謝が自ずとにじみ出る季節でもあった。しかし外から帰ってもまだ仕事が残っている、またはランチ時に喉を潤したい、こんな時に強い味方がある。そう、ノンアルコールビールだ。

小生は比較的最近になってノンアルコールビールを買うようになった人種である。昔、ノンアルコールビールが登場した頃に何度かトライしたが、そのマズさに辟易し、ずっと避けてきたからだ。

しかしこの夏の暑さは異常だった。クライアントとの約束で抱えた作業を自宅で片付けているうちに、どうしてもビールらしきものを飲みたいという気持ちが収まらず、近所のスーパーに買い出しに出かけたのだ。

すると棚にはあるわあるわ、20弱種類ものノンアルコールビールの缶が勢ぞろいしていた。ほぼ全部買い込んで、数日かけて片っ端から試してみることにした。その際のことを報告してみたい。

ただし個別銘柄の味の評価は省く。なぜなら味覚は個人・体調によって相当違うので、小生がマズイ!と思っても、それを美味しいと思う人もいるだろうから(この件については後ほどコメントしたい)。

まず驚いたのは、メーカーが異なるのに缶パッケージがそっくりなのがあること(しかも大手同士である)。「ドライ戦争」時に(知らない?かなり昔です)似たような現象があったが、先行メーカーが訴訟をちらつかせて類似パッケージを止めさせたことがあった。それ以来ではないか。

消費者にとっては紛らわしくて困る。事実、小生も後になって「あれ、どっちの銘柄のほうがよかったっけ?」と混乱してしまい、もう一度買いに走って比べ飲みしたくらいだ。

次に気づいたのは、多くのノンアルコールビール銘柄が似たような味わいだったこと。しかも大手メーカーの製品の多くに共通するので、もしかすると製法が近いのかも知れない。基本となるバージョン(というの?)はいずれもちょっとボケた味に、小生には感じられた。今回のように飲み比べてみると、確かに少しずつ風味は違うようだが、それでも微妙な違いに過ぎないし、飲み終わった後の印象ではその違いすら分からなくなってしまうくらいだった。

大手メーカーは基本バージョンに加えて、さらに風味の違うバージョンを出している。柑橘系などの風味を加えたものが多かった(つまりビールの味からは離れてしまう)が、むしろ基本バージョンよりも飲料としては美味しいと感じられた。しかしこれまた皮肉なことに、メーカー間の違いは一層少なくなってしまうのだ。

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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

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