ホワイトボードが語る、議論のスタイルと企業活性度

画像: Listener42

2015.12.22

仕事術

ホワイトボードが語る、議論のスタイルと企業活性度

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

【ホワイトボード】中堅以上の企業なら社内のどこかに置いてある大型事務機。置いてあるからといって使えるとは限らない、典型的な機材。その使用実態をみることで、『議論重視の社風』とか、『アイディア創出に熱心』とかいう外部向け宣伝が建前に過ぎないことを明確に語る『診断ツール』になることもある。

半分だけ残して次の議論に使うといった使い方をするためには、できれば板書をプリントできるタイプが望ましい(昨今はスマホでカメラ撮りするので板書印刷機能が必須ではなくなりつつあるが、すばやく議論を進めるにはプリントがあったほうが望ましい)。

なお、昨今ではPCをプロジェクタもしくは液晶モニター機につなげ、メモ書きや資料を画面に映しながら検討するスタイルも普及しており、我々も場合によって使い分けする。

こちらのスタイルは、共通理解を確認しながら進めるのに効果的かつ効率的である。互いの検討事項を報告・確認するようなミーティングにおいてはそのまま議事録の基になる。

我々が業務コンサルティングで実際にやっているように、今の仕事のやり方や組織構造などを確認するのにプロセスモデル等を作成し映しながら議論するのは(誰でもできるわけではないし、慣れていないと操作がスローモーだが)、誤解なく確認しながら進めることができるので、結局は効率的である。つまり「これでいいよね」と確認しながら進める性格のミーティングには向いている。

しかしアイディアを生むために活発な意見交換を行ったり新しい概念を語ったりするようなミーティングにおいては、ホワイトボード上で自由に文字と図を手書きしたほうが、発想のテンポや表現にとって制約にならない分、明らかに望ましいと感じる。

その意味で、社内会議室にホワイトボードがあって使える環境になっているか、積極的に使っているかどうかは、その企業がアイディア創出やイノベーションに熱心かどうかの一つのバロメータになると思う。

(本稿は2013年12月のコラム記事に追加修正したものです)

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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

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