しまむらのマニュアルが進化し続ける意味

画像: Tamaki Sono

2013.09.02

経営・マネジメント

しまむらのマニュアルが進化し続ける意味

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

株式会社しまむら。「ファッションセンターしまむら」の運営会社として今や有名企業であるが、意外とその実像は捉えにくい。BPM(継続的業務改善)のエバンジェリストとしては、同社はとても興味深い研究対象である。オペレーショナル・エクセレンシーの代表企業としての同社の象徴である「マニュアル」をキーワードに、その凄さの秘密を探ってみた。

しまむらのオペレーションは徹底的にマニュアル化されている。

「商品仕入」から「店舗運営」「システム開発」「社員研修」等々、何から何までマニュアル化しているといってよい。その総ページ数は1000ページを超えるという。

以前、そのページ数を耳にした際には正直、「一体誰がそんな分厚いマニュアルを読むのか」「新人が1週間ほど掛けて読み終わる頃には最初の部分は忘れてしまうぞ」という感想が浮かんだ。

しかし先日、「BSニュース 日経プラス10」での放送録画を観て、思い直した。商品を出した後、ダンボールを潰すやり方までマニュアルに書いてあるのだ。「こういう手順でやると、手に怪我をする恐れがありません」といった狙いと共に。思わず「なるほど」と唸ってしまった。

マクドナルドでの「併せてポテトはいかがですか」のお薦めのように、機械的な「マニュアル」教条主義に対する一般の印象はあまり良くはない。実際、そうした会社で働いている人が「何も考えなくなってしまう」という弊害が多く指摘されている。

それに対し、しまむらでのマニュアルの位置づけは全く異なるようだ。

しまむらのウェブサイトでマニュアルについて訴えているページがある。 http://www.shimamura.gr.jp/company/business/15/

<<◆マニュアル:しまむらはローコストオペレーションを徹底し効率的な運営をしていますが、それを支えているのがマニュアルです。日本では個人的な技術を重視する風潮に加え、マニュアルに対する誤解と軽視が見られます。私たちしまむらでは最も優れたベテラン社員のやり方をマニュアルと考え、新入社員でも一定レベルの業務ができるようにするため、全ての部署でこれを重視し、標準化と合理性を追求しています。

◆改善提案:マニュアルをいつの時代も生きたものとするために欠かせない仕組みが改善提案制度です。業務の最適化を実現するには、マニュアルをブラッシュアップし続けることが最も大切です。しまむらでは、全社員から毎年5万件以上の改善提案が寄せられ、これを一つ一つ検討・実験し、その結果は再び新しいマニュアルとして毎月更新され続けています。>>

実際、同社のマニュアルは3年も経つとガラリと変わるという。

こうしたことから考えると、しまむらにとってマニュアルとは、現場をよりよくするための「永遠の叩き台」であり、属人化しがちなノウハウを形式知に変換するための「組織学習のための記憶装置」であることが分かる。

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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

当社は新規事業の開発・推進・見直しを中心とした戦略コンサルティング・サービスを提供しております。代表である私は、30年にわたる戦略コンサルティングと、実務での新規事業開発の経験を基に、企業の特性と事情に合わせた「実践的アプローチ」、「3倍速のスピード感」、「サイド・バイ・サイドの姿勢」を持って、経営者の思いを実現することを心掛けています。 新規事業やサービスの開発においては、テーマ探索~事業仮説開発~検証~試行といったプロセスに沿って一気通貫でご支援することもできますし、必要に応じて一部だけを抜き出して対応することもできます。 詳しくは弊社HPをご覧ください。ご登録いただければメルマガもお届けします。

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