2012年、企業が注目すべきは「感情」という動力

2011.12.23

経営・マネジメント

2012年、企業が注目すべきは「感情」という動力

石塚 しのぶ
ダイナ・サーチ、インク 代表

人を動かすのは「感情」という動力。ビジネスは損得勘定ではない。2012年、勝ち組企業の決め手は、「感情」という動力にあり。

東京で開催されたトニー・シェイ、チャリティ講演のまとめ


2011年11月21日、東京にてザッポス社CEOトニー・シェイを招き、チャリティ講演を主催しました。

ザッポスといえば、設立10年未満にして年商10億ドルを達成し、2009年にはこれまた10億ドルを超える買収金額でアマゾンの傘下に入りました。

「企業文化」を戦略の中核とする、というユニークな経営の考え方と、「顧客を満足させるためなら、ほとんど何をしてもかまわない」、「マニュアルなし、コール・スクリプトなし、コール制限時間なし」という型破りのコンタクトセンターでも有名です。

そのザッポスを黎明期から年商10億ドル企業(今年は20億ドルに到達するくらいでしょう)に育てあげた若きカリスマ経営者、トニー・シェイを招いた、感動の講演会でした。

今日は、その講演の折にトニーが話してくれたことをまとめる、というよりは、2011年の終わりということで、今年のまとめも兼ねて、「今、アメリカの(そして日本の)市場で起こっていることは、こういうことじゃないかな」、「2012年には、こんなことが期待できるんじゃないかな」ということを書いてみたいと思います。

スキルではなく、心を磨く


ザッポスに関する本(私の著書である『ザッポスの奇跡』でも、トニーの著書でも)を読まれた方は、もうよくご存知だと思うのですが、ザッポスの社員は、入社直後に4週間の研修を受けます。その研修の際に、役職や職種に関係なく、すべての社員が、コンタクトセンターでの顧客対応の特訓を受けるのです。

その背景にあるのは、「徹底した顧客サービス(エクスペリエンス)志向の会社をつくる」ということです。そうするためには、ザッポスならではの顧客サービスの魂を社員に植え付けます。「顧客対応のスキル」を教えこむのではなく、「顧客のことを真剣に思いやる心」を磨くのです。

もとより、ザッポスでは、入念な面接のプロセスを通して、「顧客サービス志向」の人だけを雇っています。人が好きで、人を喜ばせたいという心(原石)を既に持っている人を雇い、それをぴかぴかに磨き上げる、それが、入社直後の研修の役割なのです。

幸せを届ける会社


講演の中で、トニーはきっぱりと言っています。
「ザッポスの使命は、幸せを届けることです」
ザッポスでは、その「幸せ」を受け取る対象を、顧客だけではなく、社員や取引先、そして社会全般にまで広げています。

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石塚 しのぶ

ダイナ・サーチ、インク 代表

南カリフォルニア大学修士課程卒業。米国企業でNASAプロジェクトなどに関わり経験を積んだ後、82年にダイナ・サーチ、インクを設立。以来、ロサンゼルスを拠点に、日米間ビジネスのコンサルティング業に従事している。著書に「アメリカで『小さいのに偉大だ!』といわれる企業の、シンプルで強い戦略」(2016年4月、PHP研究所)、「未来企業は共に夢を見る~コア・バリュー経営~」(2013年3月発売)、「ザッポスの奇跡 改訂版 - アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略」、「顧客の時代がやってきた!売れる仕組みに革命が起きる」などがある。

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