道具屋が選んだオープンソース・ソフトウェア

2011.05.19

開発秘話

道具屋が選んだオープンソース・ソフトウェア

喜田 真弓

コンピュータ・ソフトウェアには、多くの協力者の作業によって作られるオープンソース・ソフトウェアというものがある。協力者は様々な国にまたがり、そうして開発されたソフトウェアはあらゆる人が無料でダウンロードして利用でき、多くの場合は改変も可能というものだ。

ソフトウェア販売会社としてアシストが長年扱ってきたのは有償のソフトウェアだが、このオープンソース・ソフトウェアのメリットを享受しようと、2007年、社内の標準オフィス・ツールをMicrosoft OfficeからオープンソースのOpenOffice.orgへ全面移行した経緯は以前ここでも紹介した。(「アシストがMSから無償オフィス・ソフトへ全面移行した理由」

オープンソース・ソフトウェアの精神とは、人々がお互いの能力を提供し合うというものであり、さらにそれが無料で提供されるとしたらユーザはそれを使わない手はない。しかしアシストに限らず、これまで有償でソフトウェアを提供していた企業はこの流れをどう受け止めればよいのか。情報活用ソフトウェア事業部の杉乃はある日この課題をトップから突きつけられる。

「2009年、社長から各事業部に対してオープンソース・ビジネスの可能性を検討せよ、という指示が出ました。無償ソフトウェアが普及するようになればソフトウェア・ビジネスはライセンス・ビジネスからサービス・ビジネスになるという(社長の)考えは、あり得ない話ではないと思いましたが、オープンソース・ビジネスにおける収益モデルは、正直言ってイメージできませんでした。でもとにかくBI/SFA*3製品の評価を開始したのです」と杉乃。
*3 SFA:Sales Force Automation

「営業支援系ではSugarCRM、BI分野でPentaho、JasperSoftなどを検討しましたが、いずれも操作するのはエンドユーザで、技術に精通していないユーザが使う場合、操作性という視点から見ると商用(有償)ソフトウェアに一日の長がありました。そこで、システム的には縁の下の力持ち的なデータ連携の分野なら、利用するのはIT部門で、それならば多少は使い勝手が劣っていても無償のソフトウェアで十分いけるのではないかと考えました」

営業力強化事業推進室時代から続いて杉乃の上司であった新本は、当時を振り返りこう語る。
「顧客の支援活動と並行して製品調査および評価を行う地道な作業を、よく一人でこなしてきました。それを可能にしたのも、過去さまざまなシステムに携わってきたこと、そして彼自身の、新しいことに対する探究心と柔軟な姿勢。新製品発掘には杉乃はまさに適役でした」

こうして杉乃が目をつけたのは日本ではまだあまり認知されてはいないが、世界ではリーダー的な製品である、フランスの「Talend(タレンド)」というソフトウェアだった。

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