2026.03.16
今、経営者は何をすべきか(3) 経営とは人が価値を生み出す営み 企業価値をバリューアップする「セールスイネーブルメント」
村上 和德
ハートアンドブレイン株式会社 代表取締役社長
外部環境が変わり、内部環境の課題が明らかになったとしても、最後に問われるのは「組織は実際に動けるのか」という一点です。どれほど優れた戦略も、実行されなければただの理論に過ぎません。 経営者には、変革を「実行できる組織」をつくる責任があります。経営者の仕事とは、組織全体に「勝つために変わる」というマインドを根づかせること。そして、それを実装する具体的な仕組み、私はこの仕組みづくりを「セールスイネーブルメント」と呼んでいます。
外部環境が変わり、内部環境の課題が明らかになったとしても、最後に問われるのは「組織は実際に動けるのか」という一点です。どれほど優れた戦略も、実行されなければただの理論に過ぎません。
経営者には、変革を「実行できる組織」をつくる責任があります。経営者の仕事とは、組織全体に「勝つために変わる」というマインドを根づかせること。そして、それを実装する具体的な仕組み、私はこの仕組みづくりを「セールスイネーブルメント」と呼んでいます。
セールスイネーブルメントとは構造計画
セールスイネーブルメントとは、いわゆる組織の構造改革で、企業が掲げた営業戦略を「実行できる組織」へと作り変える取り組みです。単に営業研修を行うことでも、営業ツールを整えることでもありません。今まで受け身で、苦手意識を持っていた営業が攻めに転じ、得意だと言えるように変えていきます。苦手と言っている場合ではないのです。
もし従来の営業が、既存顧客の対応に追われ、戦略的な提案や攻めの活動に十分な時間を割けないのであれば、その要因となっている仕組みや構造そのものを根本から見直します。
見直した結果、例えば、動画コンテンツを作成するセクションを部隊として立ち上げたとします。AIを実装して、ヘルプデスク業務の半分をAIが担えば、カスタマーリレーションマネジメントのクオリティは上がりますし、お客様にも「こんなサービスを始めたんだ、やっぱり最先端だね」と思ってもらえるでしょう。
営業も、既存顧客からの些細な問い合わせに時間を取られずに済むようになる。結果として三方一両得となる可能性も出てきます。さらに、変革前は疑心暗鬼が生まれたり、抵抗勢力があったりもしますが、一度サービスがスタートすれば、「評判いいね」「もっと早くやっておけばよかった」となって、そこからは社内にフォローの風が吹き始めます。最初は「本当にうちでできるの?」「大してお金にならないのでは?」「それより別の案件をやったほうが早く儲かるのでは?」といったイメージを抱いているお客様も、ひとつ成功体験を積めば、組織というインフラがあるので一気に走り始めるのです。
変革を推進するのは経営者の覚悟
今は攻めの姿勢で進むべき時です。しかし、決して一人で変わろうとする必要はありません。私は、コンサルファームの役割は、お風呂の水をホースで吸い出すときの最初の一吸いだと思っています。水が自然に流れ出すなら私たちは不要ですが、初動にはエネルギーが必要です。そのためのターボエンジンのような役割が、私たちの仕事です。デフレの時代は思い切り吸い上げないと流れてこなかったし、流れてきてもチョロチョロでした。しかし政権が変わり、流れが前向きに変わりつつある今は、ほんの少し吸うだけで勢いよく流れてくるような感覚があります。
今、経営者は何をすべきか
2026.02.13
2026.03.09
ハートアンドブレイン株式会社 代表取締役社長
1968年、千葉県生まれ。東海大学法学部卒業。 英国国立ウェールズ大学経営大学院(日本校)MBA。 新日本証券(現みずほ証券)入社後、日本未公開企業研究所主席研究員、米国プライベート・エクイティ・ファンドのジェネラルパートナーであるウエストスフィア・パシフィック社東京事務所ジェネラルマネジャーを経て、現職。
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