評価を客観視できる人材の育成を!(2)

2007.10.07

組織・人材

評価を客観視できる人材の育成を!(2)

寺西 隆行
(株)Z会

誰もが他人から評価を受けます。 また、他人を評価することもあります。 自分の評価の捉え方、他人への評価の仕方で、「できる人」と「できない人」が分かれる指標になります。 (2)では、会社組織の中での例を取り上げてみました。

(1)では行政の広報誌に見られた、評価についての受け止め方の甘さについて言及しましたが、今回は会社組織において、自身の評価を受け止められない人のお話を。

自分の処遇に文句があり、それを愚痴る人がいます。
自分は全然評価されていない、とか、上司の見る目がない、とか。
サラリーマンだったら、瞬間的にそんな気持ちになることは誰しもあるでしょう(僕もあります)。
しかし、そればかりを常々話している人は、ほとんどの場合、その人にも問題があり、「評価されていない」という現実を生んでいます。

自身の評価と他人の評価にずれがある人には、一つの共通点があります。

物事を一部で捉え、全体で捉えない、いや、(能力不足で)捉えられない、という共通点が。

わかりやすい例を3つほどあげます。

1.自分より目上(管理職や先輩社員など)の悪いところばかりを指摘し、良いところを見ない。

あの人はいつも決断が遅くて、決定的なタイミングを逃す…
嫌な仕事は全部部下に押し付ける…
聞こえてくるこんな愚痴。

「決定的なタイミングを逃す」こともあったかもしれませんし、「嫌な仕事を全部部下に押し付ける」こともあるのかもしれません。
けれども、見えていないところで、「慎重に事を運んで成功をし続けている」こともあるかもしれませんし、「押し付けている仕事以外のもっと嫌な仕事を自ら進んで行っている」のかもしれません。
後者に到っては、「(評価されていない、と自身で思っている)部下が嫌がる仕事」というのは得てして「雑用」という類のもので、人件費の高い管理職は、そんな仕事だったらどんどん部下に押し付ければいいんです。もっと他に「やるべきこと」があるはずですから。

その人の良い部分も含めてよく見て、総合的に判断しなければ、「あの上司はできない」という言葉にも説得力がありません。

2.目上の悪いところ(だらしないところ)は自分にはない、だから自分の方が優れている(のになんで自分は評価されないのだ!)、と考えがち。

逆に、自分自身の悪いところ(だらしないところ)を、その目上の人が補っているかもしれませんよね。
この点についての考慮がないこともしばしば。

本質的には1と同じなんですけど、自分の優れているところ(あるいは、自分がフツウで目上の人の悪いところ)ばかり見て、自分の欠点を見ようとしない(もしくは、気づいていない)傾向も、このタイプの人に多い傾向です。

『木を見て森を見ず』
木、どころか、相手の「悪い枝」と自分の「良い枝」ばかり比較して、相手の「森」と自分の「森」を決して比較しようとはしない。
一言で言うと卑怯なんですよね。

次のページ3.「生きているときは誰も評価しなかった偉人」をよく例...

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寺西 隆行

寺西 隆行

(株)Z会

文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

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